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欧州委、ネット上での「忘れられる権利」創設へ

過去の個人情報削除、事業者に義務付け

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は25日、インターネット上の個人情報保護を強化する包括的な規制・指令案(法案)をまとめた。不要になった写真、名前などの個人情報を削除してもらう「忘れられる権利」を創設し、ネット事業者に尊重するよう義務づけるのが柱。個人のプライバシー保護を徹底する狙いで、日米のネット規制の動向にも影響を与えそうだ。

法案は欧州議会と閣僚理事会の承認を得てから2年後に施行する。交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックや検索大手の米グーグルなども新たな対応を迫られるのは確実だ。

「忘れられる権利」は、個人が不要になった写真や名前などの情報についてSNSなどネット事業者に削除してもらう権利。ネット事業者は原則として写真や名前、文章などあらゆる情報をサーバーから削除しなければならなくなる。

欧州委が個人情報保護の主な対象に想定しているのは若年層。例えばSNSでは、個人情報を公開して交流している若年が多い。ネット上でたくさんの人に知り合える半面、後になって就職活動の際にネット上で個人情報が公開されていて困るなどの事例がある。個人情報を使って迷惑メールを送りつけられる被害例も後を絶たない。

 ただ「忘れられる権利」の保護は合理的理由があれば適用外となる。レディング欧州副委員長(司法担当)は「歴史を抹消する権利までないのは明らかで、新聞は良い例。表現・メディアの自由の方が優先される」との見方を示している。

ネット事業者の今後の対応は不明だが、英国放送協会(BBC)によると、フェイスブックは「新規制がネット利用者の権利を守る一方、雇用創出や経済成長のためにいかに貢献するかを注視したい」と語っているという。

法案では、企業が個人情報を処理する場合、個人の同意をきちんと取りつけることを要求。個人が自らの情報をあるネット事業者から別の事業者へ容易に移せるようにする内容も盛り込んだ。

企業は個人情報を外部に流出させた場合、24時間以内に各国当局に通報しなければならない。深刻な個人情報保護違反は、最大で企業に100万ユーロ(約1億100万円)か、全世界の売上高の2%の罰金を命じられる。EU市場で活動する全世界の企業が対象。

レディング氏は「個人情報保護は全欧州人にとって基本的権利なのに、市民は必ずしも自分たちの情報を十分に管理できていると感じていない」と法案提案の理由を説明している。

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