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エティハド航空、アリタリア航空に49%出資

【ドバイ=久門武史、ジュネーブ=原克彦】アラブ首長国連邦(UAE)のエティハド航空は25日、経営再建中のイタリア航空大手アリタリア航空に49%出資することで合意したと発表した。業容を急拡大するペルシャ湾岸の新興航空会社が、欧州の同業大手を事実上、救済する構図だ。

両社は共同声明で「主要な条件で合意した」とし、出資額など詳細は明らかにしていない。イタリアのルピ運輸相は、エティハドが4年間で12.5億ユーロ(約1730億円)を投じる用意があるとの認識を示していた。

出資交渉が長引いたのは、エティハドがアリタリア側に求めた2250人の人員削減が一因だ。アリタリア労組は一貫して従業員の一時解雇に反対。ANSA通信によるとエティハドはアリタリアのパイロット約120人を転籍させ、パイロット不足を補うことも提示していた。

アリタリアの負債圧縮に向けて、主要取引銀行に債権の一部放棄を要請したもよう。アリタリアは13日の取締役会でエティハドが提示した条件の受け入れを決めていた。約20%を出資する同国銀行大手インテーザ・サンパオロなどもこの条件を受け入れたとみられる。

アリタリアは2008年に経営破綻し、イタリア企業で構成する投資家グループの傘下で経営再建を目指した。しかし黒字化を果たせず、昨秋に同国政府がイタリア郵政公社などが出資する救済策をまとめたが、それでも今夏には資金繰りに行き詰まることが確実視されていた。

エティハドは欧州を中心に同業への出資を矢継ぎ早に進めており、アリタリアも加えて一段と足場を広げる。同社は03年の設立と若く、同じペルシャ湾岸で成長を続けるUAEドバイのエミレーツ航空や、カタール航空に比べ後発だ。就航地や保有機材の数で水をあけられており、「エクイティ・アライアンス」と呼ぶ出資攻勢で猛追する。

非上場のため開示情報は限られるが、果敢な出資攻勢の背後には、石油資源の豊富なアブダビ首長国、UAE政府の支援や信用力があるとの見方が強い。欧州の競合他社には競争条件が不公平との不満がくすぶっている。

湾岸の航空3社はそれぞれの拠点空港とともに、アジアと欧州、アフリカを結ぶ「世界の航空ハブ」の座をかけてしのぎを削る。アブダビ、ドバイ、カタールの首都ドーハでは国際空港の新設・拡張が相次ぐ。航空産業を成長の柱とみなす各政府の政策もあり、競争は激化している。

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