2019年2月17日(日)

サムスンに10億ドル超賠償命令 アップル特許で米評決

2012/8/25 11:27
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【シリコンバレー=岡田信行】米アップルと韓国サムスン電子がスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)」などの特許やデザインを巡って争っている訴訟で、米カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所(サンノゼ市)の陪審は24日、サムスンがアップルの一部特許を侵害したとの評決を言い渡した。アップルの損害を約10億5千万ドル(約830億円)と認定、サムスンに支払いを命じた。

サムスン電子の「ギャラクシーS3」(右)とアップルの「アイフォーン4S」=AP

サムスン電子の「ギャラクシーS3」(右)とアップルの「アイフォーン4S」=AP

今回の陪審評決を踏まえ、判事が製品販売の差し止めも含めた最終的な命令(判決)を出す。特許を侵害した製品の米国内での販売が差し止められる可能性が高い。

9人の陪審員はアップルが訴えていたタッチ画面の操作など「サムスンによる特許侵害」をほぼ認め、アップルが損害を被ったと認定した。逆に「アップルがサムスンの持つ特許を侵害している」としたサムスンの訴えは退け、サムスン側に損害はないと判断した。

評決で「故意にアップルの特許を侵害した」と認定されたことで、サムスンの企業イメージに悪影響があるとみられるが、製品の販売差し止め命令については、出た場合でも訴訟の対象となった製品が提訴時点で販売していた旧型モデルが中心なため、販売面での影響は限定的とみられる。

サムスンが上訴すれば、訴訟は長期化する。日進月歩で製品が入れ替わるIT(情報技術)業界の現状を踏まえれば、事業面での実害はほとんどないという見方が強い。ただ、サムスンはグーグルが開発したOS(基本ソフト)「アンドロイド」を採用するスマホのメーカー最大手。台数ベースで、アップルを大きく上回るアンドロイド陣営へのけん制効果は小さくない。

アップルは2011年4月、サムスンが自社の特許を侵害したと米連邦地裁に訴え、その後、サムスンが逆提訴。両社は世界各地で訴訟合戦を繰り広げている。

アップルは、サムスンがスマホなどに採用している米グーグルの携帯端末用OS「アンドロイド」を「アップルの技術を盗んだ」(故スティーブ・ジョブズ前会長)ものと主張している。

今回の訴訟は7月末に審理が始まった。大市場の米国での裁判というだけでなく、アップルとグーグルが本社を置くシリコンバレーの裁判所での審理ということもあり、アップルの主要幹部も出廷して「iPhone」開発の舞台裏について証言。訴訟の行方だけでなく、審理で飛び出す証言や証拠、両社の主張も大きな注目を集めた。

▼米国の陪審制 一般市民から選ばれた陪審員が、審理に立ち会い、事実認定などの評議を経て、評決をとりまとめる。陪審員は刑事訴訟では有罪か無罪かの判断を行い、民事訴訟では事実認定や損害賠償額についての判断を行う。判事(裁判官)は陪審員の評決を踏まえて命令(判決)を下す。
 米国の陪審制は事実認定や賠償額の判断を陪審員のみの評議に委ねるのが特徴で、その是非については議論もある。陪審がまとめた評決に問題がある場合、判事は評議のやり直しを命じることもできる。

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