2019年7月20日(土)

エジプト混乱、経済に波及 格下げ・取り付け騒ぎ

2012/12/25付
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【カイロ=押野真也】エジプトで22日に終わった新憲法案を巡る国民投票後も内政の混乱が続き、経済分野への影響が深刻化してきた。24日に大手格付け会社が長期債務の格下げを決めたほか、外貨不足を背景に一部の金融機関では預金の取り付け騒ぎも起きた。政府は騒動の沈静化に努めているが、混乱収拾のめどは立っていない。

24日、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はエジプトの長期債務格付けを従来の「シングルB」から「シングルBマイナス」に1段階引き下げたと発表した。国内で新憲法案の採択を巡って賛成派と反対派の対立が深まり、社会不安が高まっていることを理由に挙げた。

見通しは「ネガティブ(弱含み)」とした。S&Pは「国内の政治状況が著しく悪くなり、外貨準備や政府債務などの経済指標が急激に悪化した場合、さらなる格下げがあり得る」としている。

外貨不足の進行を背景に同日には国内の一部金融機関で「預金が凍結される」とのうわさが広まり、取り付け騒ぎにも発展した。中央銀行が即座にこれを否定し「金融部門の安定を図るすべての措置を取る」との声明を発表して騒動は収まったが、経済不安への懸念は高まっている。

民間集計によると新憲法案を巡る国民投票では賛成票が6割以上を占めたもようで、承認される公算が大きい。ただ、反対派は「投票に不正があった」などと主張し、政権側との対決姿勢を強めている。対立はしばらく続くとみられ、デモ隊同士や治安部隊との衝突などが懸念されている。

投票監視当局による投票結果の公式発表は24日の予定だったが、無効票の判定などで当初の想定よりも時間がかかり、発表を25日に延期した。

国内が不安定になるとの懸念から株や通貨が下落基調にあるほか、国際通貨基金(IMF)から支援を受けるための最終合意も延期されている。今後、内政の混乱が深まれば経済再生がさらに遠のく恐れがある。

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