2018年8月21日(火)

[FT]歴史を修正しても日本は復活させられない

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2013/5/27 7:00
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(2013年5月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ニュースの見出しは、日本が戻ってきたと叫んでいる。安倍晋三首相は、10年以上も舞台脇で控えていた日本を舞台の中央へと押し戻した。5月第4週の混乱を別にすると、株式市場は高騰に沸いてきた。消費者はお金を使っており、経済成長は上向いているように見える。海外では、日本が注目の的になっている。

参院決算委で答弁のため挙手する安倍首相(20日)=共同

参院決算委で答弁のため挙手する安倍首相(20日)=共同

 この流れの反転について言うべきことは3つある。最初の2つは主に前向きなこと、3つ目は著しくネガティブなことだ。

 安倍氏が来月の主要8カ国(G8)首脳会議に姿を現す時、他国の首脳はまず間違いなく、同氏のことを知ろうとするだろう。安倍氏の前任者たちに当たる近年の日本の首相については、同じことが言えなかった。

 首相官邸の出入り口は、高速の回転ドアだった。2006年以降、12年に安倍氏が選挙で勝利を収めるまでに、年数と同じ数だけ首相がいた。世界各国の首脳は、次の大きな会合までには姿を消していることをほぼ確信しながら日本の首相と握手した。米国のバラク・オバマ大統領は特に、こうしたはかない出会いに費やされる時間の無駄にいら立ったと言われている。

■国益を守るために強い経済が不可欠

 もちろん、安倍氏もこの回転ドアを通った首相の1人だ。06年から07年にかけて機能不全の政権を率いた。だが、安倍氏の政治的展望は今、今世紀初めの小泉純一郎首相時代以降のどの首相よりも明るい。

 与党・自民党は7月に参議院選挙を戦うが、世論調査が何らかの目安になるのだとすれば、同党は安定多数の確保に向かっている。不測の事態がなければ、安倍氏はこれで、17年の次の衆議院選挙まで続投が見込めることになる。

 当面続投する可能性の高い首相がいるという単純な事実は、日本に国際問題における存在感を与える。これまで痛ましいほど欠けていたものだ。日本の復活は、自己主張を強める中国があおる緊迫した東アジア情勢の変化と時を同じくして起きた。もし安倍氏が1つのメッセージを発しているのだとすれば、国外で日本の国益を守るためには、国内における経済的な強さが不可欠だということだ。

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