中国、「食の安全」確保へ食糧法制定 自国産品の信用回復狙う

2012/2/27付
保存
共有
印刷
その他

【大連=進藤英樹】中国国務院(政府)法制弁公室は小麦やコメなど穀類の管理・監督体制を強化する目的で「食糧法」を制定する。品質向上や安全基準を見直すことで「食の安全」確保を徹底、自国産食品の内外での信用回復につなげる狙いがあるとみられる。

中国は2009年に食品の川下分野を対象にした「食品安全法」を施行した。今回、法整備に着手した食糧法は穀物など食品の川上分野をカバーする内容になるとみられる。

国務院はこのほど食糧法の草案を公表。3月末まで同案に対する意見を一般から募集する。法制化の時期は明らかになっていない。

草案では食の安全を高めるため、生産や買い付け、貯蔵、加工、運送、販売、輸出入など各段階で品質管理や検査規定を整備すると明記。監督・検査体制も確立する。食品原料の汚染など問題が発生した場合は地方政府が対処し、他の地域への波及を防ぐ。

遺伝子組み換え作物についても管理体制を強化する。草案はいかなる組織や個人も勝手に組み換え技術を応用してはならないと明記した。

食糧法には食品原料の生産能力を向上させることで、食糧安全保障の強化を図る狙いもある。

食糧法が施行されれば、中国から多くの食品を輸入する日本などにとって食の安全性向上につながる一方、日系企業の現地での生産活動や輸出入に影響を与える可能性もある。

中国では食の安全を巡っては深刻な問題が相次ぎ発生している。日中両国で被害者を出した冷凍ギョーザ中毒事件や粉ミルクへの有害物質混入事件などにより、中国製食品への信頼性は内外で大きく揺らいだ。

中国政府は食糧法の制定とともに、食の安全を脅かす違法行為を厳しく処罰する方針も表明。中国最高人民法院(最高裁)、最高人民検察院(最高検)、公安省は今月「地溝油(どぶ油)」関連の犯罪は最高刑を死刑とする新しい基準を定め、全国に通知した。地溝油とは汚水や残飯などを再利用した食用油で、各地で健康被害が報告されている。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]