韓国の短期対外債務が急増 3月、実体経済に悪影響も

2011/5/24付
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【ソウル=島谷英明】韓国の短期対外債務が急増し、為替相場が急変動して実体経済に悪影響を及ぼす懸念が浮上してきた。輸出企業の為替ヘッジ取引に伴って韓国内で営業する銀行の海外借り入れが増えていることなどが主因。政府は金融市場を不安定にするとして警戒を強め、外貨建て債券発行などの規制強化に乗り出す方針だ。

韓国銀行(中央銀行)の24日の発表によれば、3月末の対外債務は3819億ドル(約31兆1800億円)。昨年末比219億ドル(6%)増え、過去最高額を更新した。このうち償還期限1年以内の短期債務は1467億ドルで同117億ドル(9%)増と急伸した。

短期対外債務の急増は銀行セクターで目立つ。輸出企業は先行きウォン高になるリスクを回避するために、ウォンの先物を買う。銀行は先物売りで取引に応じるが、実際にウォン高になった場合の損失を避けるため、ドルを借り入れ金利の高いウォンに替えて資金運用するケースが多い。このためヘッジ取引が増えると銀行の外貨借り入れが増えやすくなる。さらに韓国企業が国内で発行する外貨建て債の引き受けに伴って海外からの借り入れが膨らんでいる。

短期の資金取引は国際金融市場の動向次第で一気に資金の流れが変わるリスクがあり、為替相場の変動を増幅して企業経営などの実体経済に影響を及ぼしかねない。このため政府は外貨取引の規制を強化する方針。銀行に対し導入済みの為替先物取引など通貨関連の金融派生商品の持ち高制限を厳格化する。さらにウォン相場上昇の一因になっている韓国企業による外貨建て債の国内発行も、一定の条件を課して増加を抑制する方向で検討を進めている。

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