米デルタCEO「成田がアジアの拠点」 玄関口機能を強化
【ニューヨーク=杉本貴司】米デルタ航空のリチャード・アンダーソン最高経営責任者(CEO)は23日、ニューヨーク市内で記者会見し、「成田空港は引き続き(アジアで)トップのハブ(拠点)空港であり、今後も力を入れていく」と述べた。アジアでは、デルタの提携パートナーの航空会社が本拠を置いている香港や中国本土に積極投資する方針だが、日本をアジア各国への玄関口とする戦略を強化する考えだ。
日本市場を巡っては、米航空大手のなかでユナイテッド航空が全日本空輸と、アメリカン航空が日本航空と提携しており、デルタは日本に提携パートナーの航空会社を持っていない。
このため「長期的にはニューヨークと香港、中国を結ぶ便を増やす」方針。特に中国は「米国との2国間協定で許可されれば、(提携先と)共同事業を始めたい」と今後の事業拡大に意欲を示した。
アジアでのハブ機能の将来についてアンダーソンCEOは、合併したノースウエスト航空を含めて早くから進出している日本について「デルタにとって貴重な資産」と強調。北米とアジア各国をつなぐ玄関口としての役割を、今後も強める意向を示した。
機材の調達戦略に関しては、3年前にボーイングの新型機「787」の購入を一時延期したが、「787はうまくいくと思う。(性能面などが)大きく改善された」と述べた。2020年までに欧州エアバスの対抗機と比較した上で購入する機種を決める方針だが、まずは787に一定の評価を示した格好だ。