イスラエル総選挙、右派の議席減少 連立協議へ

2013/1/23付
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【カイロ=花房良祐】22日投開票のイスラエル総選挙で、ネタニヤフ首相が率いる右派のリクードと「わが家イスラエル」の統一会派は開票率99.8%時点で31議席を獲得、改選前の42議席より減らした。旧連立与党の右派・宗教政党だけでは安定政権を樹立できない事態となり、首相は中道政党を含む幅広い勢力の結集を目指す方針だ。中道政党を取り込めばパレスチナやイランに対する政策が軟化する可能性もある。

■経済への関心高く

イスラエルの議会選は比例代表制ですべての議席を選出。この段階で右派・宗教政党と中道・左派の獲得議席はそれぞれ60議席で拮抗している。優勢とされた右派が伸び悩んだ背景には伝統的に安全保障政策が争点となる同国の選挙で、今回は経済への関心がかつてなく高まったことがある。

イスラエルでは都心部の不動産バブルや生活必需品の物価高で若者や中間所得層の不満が蓄積。元ジャーナリストのラピド氏が率いる新党の中道勢力「イェシュ・アティド(未来がある)」は経済政策に的を絞った選挙戦で浮動票を獲得した。老舗の中道左派、労働党も議席を伸ばした。

一方、右派勢力では「パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の6割を併合すべきだ」との過激な主張を掲げた極右「ユダヤの家」が最大20議席獲得との事前予想もあったが、実際は11議席どまり。首相と中傷合戦を展開し、有権者離れを招いた。

■どこまで歩み寄るか

ネタニヤフ首相は既に中道勢力と接触を開始。連立協議では右寄りだった政策をどこまで修正し、歩み寄るかが焦点になる。選挙戦で政権参加の可能性を排除しなかった「未来がある」はパレスチナ問題の和平交渉で協議再開を主張。信心深い「超正統派」に対する兵役免除の規定を廃止すべきだなどと訴えている。

ただあまりに譲歩すればこれまでの連立パートナーや、身内であるリクードと「わが家イスラエル」の反発を招くのは必至。イスラエルでは通常、大統領が第1党の党首に組閣を要請する。期間は6週間。首相は困難な連立協議を迫られる。

2009年から右派の連立政権を率いた首相はパレスチナや欧米が非難する入植地建設を推進。核開発を掲げるイランに対しては先制攻撃も辞さない構えだった。今回の総選挙の結果を受け、宗教・右派勢力の代わりに中道政党を取り込めば、対外政策の軟化が可能になるとの期待も浮上している。

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