中国通信大手3社、収益拡大の勢いに差

2012/8/24付
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【香港=川瀬憲司】香港に上場する中国の通信大手3社の収益拡大の勢いに差が出ている。2012年1~6月期決算では、インターネット接続などデータのやりとりがしやすい「第3世代(3G)」携帯電話の加入が急増した中国聯合網絡通信が2桁の増収増益を確保。一方で「第2世代(2G)」と呼ばれる従来型がなおも9割を超す最大手の中国移動は利益の伸びが鈍かった。

中国聯通が23日発表した1~6月期決算の売上高は前年同期比20%増の1216億元(約1兆5千億円)、純利益は32%増の34億元だった。売上高、純利益ともに規模は最も小さいが、伸び率では他の2社をしのぐ。

原動力はデータ通信需要の取り込み。同社は中国で最も早くアップルの「iPhone(アイフォーン)」を導入。これを武器に「3G」の加入件数を伸ばし、6月末時点で5753万件と1年間で2.4倍となり、比率も全体の26.2%と13ポイント上昇した。3G携帯電話による収入は268億元と2倍強に増え、全体の収益を押し上げた。

携帯電話事業者にとって重要な指標である1契約あたりの月間平均収入(ARPU)は48.1元と低水準ながら3%上昇。同日、香港で記者会見した同社の常小兵・董事長兼最高経営責任者(CEO)は「中国の3Gの加入比率は16%だが、大部分の先進国のように50%を超えられない理由はない」と述べ、増加余地が大きい3G加入拡大に注力する考えを示した。

一方、中国移動の売上高は7%増の2665億元、純利益は1%増の622億元だった。20%出資する上海浦東発展銀行の持ち分利益などを除いた本業のもうけを示す営業利益は4%減った。

2Gが主体の同社は加入件数の伸び率が最も低く、3G比率も9.8%にとどまる。音声収入が減少するなか、データ収入の伸びで補えず、ARPUも4%減の67元と唯一、落ち込みが続いた。

さらに3Gで中国独自規格を採用する同社はiPhoneを導入していない。顧客獲得で不利な同社は、端末値引き原資となる補助金を約4割多い120億元投入したことも営業減益につながった。

中国電信は純利益が88億元と8%減った。同社は中国聯通に続き今年3月にiPhoneを導入。普及を促すため端末への補助金を115億元と約5割増やした。

減益となったが、3Gの加入件数は5千万件を超え全体に占める比率は35.3%に達した。データを中心とする携帯電話事業の収入は43%増え、同社にとって主力の固定通信の約3分の2の規模に成長。ARPUもわずかながら上昇に転じた。

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