中国の太陽電池、曲がり角に 供給過剰で業績悪化
最大手の尚徳電力、9.1%下方修正

2011/11/24付
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中国の太陽電池大手の7~9月期業績と
11年太陽電池モジュールの出荷量見通し

(単位は億ドル。カッコ内は前年同期比増減率、%。
▲はマイナス。出荷量見通しの単位はギガワット)
売上高純損益当初見通し
→修正後
尚徳電力
(サンテックパワー)
8.10
(8.9)
▲1.162.2→2.0
英利緑色能源
(インリーグリーンエナジー)
6.68
(29.7)
▲0.281.7~1.75
→1.58~1.63
天合光能
(トリナソーラー)
4.82
(▲5.2)
▲0.311.75~1.8
→1.4
江西賽維LDK太陽能高科技
(LDKソーラー)
4.72
(▲30.2)
▲1.140.75~0.8
→0.55~0.65
晶澳太陽能
(JAソーラー)
3.88
(▲31.6)
▲0.591.8→1.6

(注)出荷量見通しのJAソーラーは太陽電池モジュールと素子の合計

【上海=菅原透】中国の太陽電池大手が今年の出荷見通しを相次ぎ下方修正している。最大手の尚徳電力(サンテックパワー)は当初計画比で9.1%減らし、7~9月期の売上高が前年同期比で約3割増と堅調だった英利緑色能源(インリーグリーンエナジー)も約7%引き下げた。太陽電池の世界需要は拡大しているが、中国勢はその伸びを上回る勢いで生産能力を拡張。在庫が積み上がっており、増産ペースを緩める。

サンテックは通年では当初、前年比4割増の2.2ギガワットを計画していた。10~12月期の出荷量が7~9月期比で2割減る見通しとなり、通年の出荷計画も下方修正を余儀なくされた。

中堅メーカーほど修正幅は大きく、天合光能(トリナソーラー)や江西賽維LDK太陽能高科技(LDKソーラー)は2割ほど引き下げた。

■7~9月全社赤字

出荷量を見直す背景には、業績の急速な悪化がある。24日までに主要各社が発表した7~9月期業績は全社が赤字。4~6月期は黒字を確保していたインリーやトリナも赤字に転落した。

最大手の尚徳電力は供給過剰感の強まりから出荷計画を見直す(江蘇省無錫の本社)

最大手の尚徳電力は供給過剰感の強まりから出荷計画を見直す(江蘇省無錫の本社)

供給過剰による価格下落が進んでおり、LDKソーラーや晶澳太陽能(JAソーラー)は7~9月期の売上高が前年同期比で3割以上減った。造れば造るほど赤字が増えるため、各社は在庫調整を本格化する。

英調査会社IMSリサーチによると、今年の全世界の太陽電池の設置は発電能力ベースで24ギガワットと前年比で24%増える見通し。だが、最大市場の欧州では、財政危機の各国政府が導入補助金を削減している。

中国勢が規模の拡大でコスト競争力を高めようと増産体制を敷いたこともあり、IMSリサーチは太陽電池パネルを組み上げたモジュールの在庫は「世界需要の半分近い10ギガワット分に達している」と分析する。

■過当競争続き疲弊

中国産の太陽電池を巡っては、米商務省が反ダンピング(不当廉売)調査を開始するなど、圧倒的な価格競争力を武器に世界市場を席巻する中国勢をけん制する動きもある。もっとも中国メーカー自身が過当競争で疲弊しており、サンテックの施正栄会長兼最高経営責任者は「今後6カ月から9カ月内で業界再編が進む」と予測している。

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