2019年1月19日(土)

北朝鮮が韓国の島砲撃、兵士2人死亡 負傷十数人
境界付近、韓国も応戦し約1時間で止まる

2010/11/23付
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北朝鮮が韓国領の延坪島を砲撃、着弾した瞬間の映像

北朝鮮が韓国領の延坪島を砲撃、着弾した瞬間の映像

【ソウル=島谷英明】韓国軍合同参謀本部によると、23日午後2時34分ごろ、韓国が黄海上の南北軍事境界線と定める北方限界線に近い延坪島(ヨンピョンド)付近で、北朝鮮の海岸から断続的に少なくとも数十発の砲撃があり、一部が同島内の軍施設や市街地に着弾した。韓国軍は応射して砲撃戦になった。韓国軍兵士2人が死亡、16人が重軽傷を負い、同島の民間人3人が負傷した。

北朝鮮が1953年の朝鮮戦争休戦協定以降に韓国の陸上に砲弾で攻撃したのは初めて。南北の軍事衝突で民間人被害が出たのも異例で、朝鮮半島情勢は一気に緊迫の度を高めた。北朝鮮は韓国の軍事演習への反発姿勢を示しているが、金正日総書記の後継者で三男の正恩(ジョンウン)氏の体制固めへ内部の引き締めを狙ったとの見方も浮上している。

砲弾は延坪島の10~14キロメートル対岸にある北朝鮮のケモリ基地の海岸砲や曲射砲から発射されたとみられ、同島の陸上や周辺の海上に着弾した。砲撃は計100~200発だったとの情報もあり、韓国軍が確認を急いでいる。

韓国軍は自走砲などから計80発を応射。全軍で警戒態勢を強め、軍事挑発に備える体制を最高レベルに引き上げた。同時に、北朝鮮側へ軍当局間のルートを通じて砲撃中止を要求する通知文を送付した。砲撃は23日午後3時41分ごろに止まり、その後は確認されていない。

延坪島では家屋70棟程度で火災が発生し、複数の地点から炎や黒煙があがった。山火事や停電、通信施設が破損したもようで、24日未明も延焼が続いているとも伝えられる。同島の住民約1600人は島内の防空壕(ごう)に避難したほか、一部は船で脱出した。2人の行方が未確認だという報道もある。韓国当局は付近の島の住民にも退避命令を出した。

北朝鮮の朝鮮人民軍最高司令部は23日夕、韓国軍が同日の軍事演習で北朝鮮領海内に砲射撃したと主張したうえで「断固とした軍事的措置をとった」と攻撃を認める声明を発表。韓国が今後も黄海の境界水域で軍事演習を続けるなら「ちゅうちょなく無慈悲な打撃を加える」と警告した。

李明博(イ・ミョンバク)大統領は「北朝鮮の挑発に断固対応する」と述べ、安全保障の関係閣僚会議を招集して対応を協議。北朝鮮がさらなる挑発に出た場合を想定し、ミサイル基地への攻撃準備を軍に指示した。

韓国青瓦台(大統領府)は23日夕、北朝鮮の砲撃は「韓国に対する明白な武力挑発だ」と言明。「民間人にまで無差別砲撃を行ったことは決して容認できない」と強く非難する声明を発表した。

黄海上の南北境界線付近では北朝鮮からの海上への砲撃が散発。今年3月に韓国海軍の哨戒艦が爆発によって沈没し、46人が死亡する事件が発生し、韓国などは北朝鮮の魚雷による攻撃と結論付けている。

南北間で民間人が犠牲になった事件としては、87年11月の大韓航空機爆破事件、96年9月の潜水艦潜入事件などがある。2008年7月には北朝鮮の景勝地、金剛山を観光で訪れた韓国人女性が北朝鮮兵に射殺された。

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