豪カンタスが赤字転落 12年6月期、民営化後初
【シドニー=柳迫勇人】オーストラリアの航空最大手カンタス航空が23日発表した2012年6月期決算は最終損益が2億4400万豪ドル(約200億円)の赤字となった。11年6月期は2億5000万豪ドルの黒字だった。赤字転落は1995年に完全民営化して以来初めて。燃料費高騰に加え、労使紛争やリストラに伴う費用が響いた。
業績悪化を受け、国際線の事業再編の一環として航空機の購入計画を見直す。ボーイング「787-9s」35機の購入を見送り、85億米ドル(約6630億円)の支出を抑える。「787-9」50機の購入権の行使は16年に約2年先送りする。
売上高は6%増の157億2400万豪ドルだった。傘下の格安航空会社(LCC)ジェットスターは最高益を更新したが、カンタス本体の国際線事業が足を引っ張った。
燃料費は18%上昇し、過去最高の43億2900万豪ドルに膨らんだ。カンタス本体を7月に不採算の国際線事業と好調な国内線事業とに分割するなどリストラ費用が3億7600万豪ドル発生。労働組合のストライキに対抗した昨年10月の全面運航停止なども1億9400万豪ドルのコスト増を招いた。