2019年9月20日(金)

「ブラックベリー」身売り説 MSやアマゾン名乗り
米紙報道 ユーザー7500万人魅力

2011/12/26付
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【シリコンバレー=岡田信行】世界のスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)業界で、「ブラックベリー」で知られる老舗リサーチ・イン・モーション(RIM、カナダ)の"争奪戦"が起きている。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」や米グーグルの「アンドロイド」携帯に押されて苦戦続きだが、その顧客層は魅力的。米マイクロソフトや米アマゾン・ドット・コムなどIT(情報技術)大手がRIM買収に動いたとの報道が相次いでいる。

「搭載する半導体チップの供給開始が来年半ばとなるため、『ブラックベリー10』の発売は来年後半にずれる」。12月15日、大幅減益となった2011年9~11月期の決算発表会で、マイク・ラザリディス共同最高経営責任者(CEO)はこう説明した。

スマホの世界市場で08年にはアップルの2倍以上のシェアを占め、ノキア(フィンランド)に次ぐ世界2位だったRIM。グーグルやアップルに抜かれ、基本ソフト(OS)別シェアで同4位に転落するなか、次世代機は巻き返しの切り札とされていた。その発売延期で経営の先行きに不透明感が増した。

16日の米株式市場でRIM株は売られ、前日終値比11%安で取引を終えた。20日には12.45ドルの安値を記録し、2月18日の年初来高値(70.54ドル)の5分の1以下に落ち込んだ。

しかし、株価はその後は反発し、21日、22日と連日10%高が続いた。材料となったのは、米メディアなどが相次いで伝えた身売り観測だ。

「キンドル・ファイア」でタブレット(多機能携帯端末)市場に参入したアマゾンが今年の夏、RIMに買収を打診。RIMが自主再建を目指すとして、これを拒否したと伝えられた。さらに、マイクロソフトとノキアが共同で、RIMの買収を検討しているとも報じられた。

いずれの報道も関係者は事実関係を認めていない。しかし、海外のビジネスマンに多いブラックベリーのユーザーが「175カ国、約7500万人に増えた」(ジム・バルシリー共同CEO)という事実は、スマホ業界に成長を求めるIT各社には魅力だ。

「ブラックベリーには愛想が尽きた」。アップルの「iPhone4S」の10月の発売日にアップル直営店に並んだ客に尋ねると、ブラックベリーから乗り換えるとの声が目立った。失望の原因は4S発売の直前、3日間にわたって続いたシステム障害だ。

昔ながらのスマホであるブラックベリーは「長く愛用しているユーザーが多い」(業界関係者)とみられてきた。その7500万人が離反するとなれば、搭載OSが違う陣営もユーザーの囲い込みや、他社に買収されるリスクを意識して動く。

独自OS「ウィンドウズフォン」で巻き返しを狙うマイクロソフトや、同社と連携して失地回復を目指すノキアが目をつけないはずがない。

RIMを買収する利点と、他社に買収されるリスク、そしてブラックベリー利用者の動向――。RIM争奪戦という形をとったスマホ関連各社の神経戦が続きそうだ。

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