米法人税、製造業25%以下 早期実現は不透明
オバマ政権が改革案

2012/2/23付
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【ワシントン=御調昌邦】オバマ米政権は22日、法人税の改革案を正式に発表した。現在35%の連邦政府の税率を28%に下げるほか、製造業は25%以下に抑える方針を盛り込んだ。特定業界などへの優遇措置をなくしたり、課税対象を広げたりすることで財源を確保するとしている。ただ議会は野党の共和党が下院で優勢な「ねじれ」の状況にあり、早期に見直しが実現する可能性は低い。

オバマ政権は22日、法人税の最高税率を35%から28%に引き下げる改革案を発表した(テレビ東京)

オバマ政権は22日、法人税の最高税率を35%から28%に引き下げる改革案を発表した(テレビ東京)

オバマ大統領は声明で今回の改革案について「現在の法人税体系は時代遅れ、不公平、非効率的だ」と強調し、改革が必要との認識を示した。ガイトナー財務長官は記者会見で、与野党の実務者らと「合意形成や進め方を決める過程に入るため来週にも会うことを計画している」と述べ、共和党にも協力を求める方針を明らかにした。

米国の法定税率は現在、州などの分も加えると39.2%。米政府は発表資料で「日本が予定する税率の引き下げ実施後は経済協力開発機構(OECD)で最高水準になる」と懸念を示した。

米国では各種の税制優遇や控除があり、実際の税負担は業界などで大きな差がある。優遇の制度が複雑で不透明になっていることから、大胆に廃止する方針も打ち出した。これらで法人税率引き下げの原資を賄うため、財政の悪化には結びつかないと強調した。

政権は国内の雇用促進や技術力の強化に向け、製造業は法人税率を25%以下とし、特に先進的な製造業にはさらに低い税率を適用する方針も打ち出した。政府高官は改革が実現すれば、米国で活動する日本などの製造業も同様の制度を受けられると指摘した。このほか米企業が海外で利益を稼いだ際にも最低限の税金を支払う制度を導入し、米国内に雇用を戻すことを促すとしている。

共和党のキャンプ下院歳入委員長は声明で「我々の多くの主張を取り入れた提案は望ましい」とする一方で「総合的な税制改革への対応に失敗した」と批判した。11月の大統領選が近づくこともあり、現時点で与野党間の協議が円滑に進むのは望み薄。選挙の結果によっては秋以降、税制改革の論議が具体的に動き出す可能性もある。

米有力企業の最高経営責任者(CEO)で構成する「ビジネス・ラウンドテーブル」は「大統領や議会指導部など全員が法人税の下げを支持しており(実現に向け)議論を始めるべきだ」との声明を発表した。

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