中国短期金利、動揺続く 1週間物8.843%まで上昇
【上海=土居倫之】中国の短期金融市場の動揺が収まらない。23日は上海銀行間取引金利(SHIBOR)1週間物が8.843%まで上昇した。中国人民銀行(中央銀行)は20日まで臨時オペで計3000億元(約5兆1000億円)の資金を市場に供給したが、銀行の資金繰り不安は続いている。

SHIBOR1週間物は6月20日に付けた最高水準(11.004%)に迫った。人民銀は20日まで3日連続で短期流動性オペ(SLO)と呼ばれる臨時オペで3000億元を供給した。ただこのオペは対象が大手銀行12行に限られるうえ、期間が最長7日間と短いため、市場の不安を沈静化するには至っていない。23日はSLOを実施したという情報はない。
中国では年末年始や春節(旧正月)前に企業の資金需要が高まるため、金利が上昇しやすい。足元ではSLOの対象になっていない中小銀行を中心に年末越えの資金が確保しづらい状況が続いている。23日は最も取引が活発な翌日物レポ金利が一時10%まで上昇した。
企業の資金調達にも影響が出始めている。短期金融市場が不安定になっているため、短期の資金調達のために企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)の発行額が足元で大幅に減少している。金融情報会社の大智慧によると、12月のCP発行額は23日までで847億元と、前回金利が上昇した6月以来の低水準にとどまっている。
23日の短期金利上昇の株式市場への影響は限られ、代表的な株価指数である上海総合指数は小幅ながら10営業日ぶりに反発した。20日に急落した銀行株も上昇する銘柄が目立った。市場では24日午前に予定されている定例の公開市場操作(オペ)で人民銀が資金を市場に供給するかどうかに注目が集まっている。