ウクライナ 政権崩壊 大統領、国外脱出に失敗

2014/2/23付
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【モスクワ=田中孝幸】旧ソ連・ウクライナの最高会議(国会)で解任を決議されたヤヌコビッチ大統領は22日夜、東部ドネツクの空港から出国を試みたが、国境警備隊に阻止された。インタファクス通信などが伝えた。その後、大統領の所在は不明で、反政権デモと警官隊の衝突で多数の死傷者を出した同国のヤヌコビッチ政権は事実上崩壊した。

ヤヌコビッチ氏は同日午後に辞任を否定していたが、野党勢力による政府や治安機関の掌握を受け、巻き返しが困難と判断したとみられる。閣僚や検事総長など政権幹部による国外脱出の動きも相次いでいる。

野党勢力が主導する国会は23日、トゥルチノフ議長を大統領代行に任命した。週内にも暫定内閣を発足させる方針で、首相候補には22日に釈放されたティモシェンコ元首相や野党第1党幹部のヤツェニュク氏らの名が挙がっている。

人口約4500万人のウクライナには隣接する欧州連合(EU)とロシアがそれぞれの経済圏に取り込もうと綱引きを続けてきた。政権交代でウクライナの親欧米路線への転換は確実な情勢で、ティモシェンコ氏はキエフでの演説で「ウクライナは近くEUの一員になる」と宣言した。

国会が5月25日に繰り上げ実施を決めた次期大統領選にはすでに同氏が出馬を表明しており、野党第2党ウダルのクリチコ党首の立候補も取りざたされる。今回の反政権デモで重要な役割を果たした民族主義政党からも候補者が出る可能性がある。

ウクライナでは2013年11月、政府がEUと関係を強める連合協定の調印手続きを突然凍結。親欧路線の転換に反発した野党勢力や市民が大規模な反政権デモを続け、2月18日に激化した警官隊との衝突では20日までに82人が死亡した。

政権側と野党勢力は欧州諸国やロシアの仲介の下、21日に事態収拾に向けた合意文書に署名。しかし22日には野党勢力がキエフを掌握し、大統領は支持基盤がある同国東部に脱出していた。

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