2019年2月19日(火)

仏、乱射事件の容疑者射殺 大統領が過激派対策公約

2012/3/23付
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【パリ=古谷茂久】フランス南西部で銃を乱射し、ユダヤ人学校の子どもや仏軍兵士ら計7人を殺害したとみられるアルジェリア系仏人モハメド・メラ容疑者(23)がトゥールーズの自宅に立てこもっていた事件で、仏警察特殊部隊は22日、同宅に突入した。メラ容疑者は射殺された。サルコジ大統領は過激派対策を公約。事件は治安問題が争点の一つとなっている4月の大統領選挙にも影響を与えそうだ。

容疑者は投降の呼びかけに応じずアパート2階の自宅に30時間以上立てこもっており、特殊部隊は22日午前、壁を壊しながら突入した。激しい銃撃戦が約5分間続き、容疑者は頭部に銃弾を受けて風呂場の窓から転落。捜査当局幹部は「容疑者は頭を銃撃されるまで拳銃で反撃していた」と説明した。

仏内務省によると、容疑者は投降を促す警察との交渉で、すべての犯行を認めた。パキスタンとアフガニスタンに滞在経験があり、国際テロ組織アルカイダに所属するイスラム戦士を自称。仏軍のアフガニスタン駐留を批判し「フランスを屈服させたい」などと話したという。

サルコジ大統領は同日、緊急記者会見を開催。「過激主義に対する新たな政策導入を約束する」などと発言し、過激主義に関するサイトの閲覧禁止や、海外の過激主義者との交流制限、刑務所での過激思想の取り締まりなど新たなテロ対策を打ち出した。サルコジ氏は自らが出馬する大統領選を前に治安対策や移民流入の規制強化を掲げて支持率を上げている。

大統領選に立候補している社会党のオランド前第1書記は「耐えられない不安は去った」などと短い声明を発表するにとどまった。治安問題で強硬姿勢を標榜し、社会党の治安政策を「純粋主義」で生ぬるいなどと批判する与党国民運動連合(UMP)は、事件を大統領選の追い風としたい思惑もうかがえる。

大統領選立候補者で移民排斥を唱えるマリーヌ・ルペン極右国民戦線党首は「イスラム過激派によるファシズムだ」などと強調。極右層や保守層の票固めを狙っている。

大統領選の主要候補者は事件解決まで選挙戦を自発的に「休戦」していたが、相次ぎ現地入りし、メディアに露出して行動力をアピール。バイル中道・民主運動議長は「サルコジ候補が自分の考えを国民に示し、指導力を見せつける機会となった」と分析した。

仏警察などの調べによると、メラ容疑者は11日と15日にトゥールーズ近くで仏空挺(くうてい)部隊兵士3人を殺害。19日にユダヤ人学校を襲って教師1人と子ども3人を至近距離から射殺し、武装したまま逃走した。仏政府は付近のテロ警戒水準を最高レベルまで引き上げていた。

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