2018年11月18日(日)

イタリア、経済対策8兆円 成長促し財政再建
企業の税負担軽減など柱

2012/6/22付
保存
共有
印刷
その他

【ローマ=藤田剛】イタリアのモンティ政権は国内経済を活性化するため、経済対策を実施する。若者を新規雇用した企業や再生可能エネルギーなどの成長分野に投資した企業への税負担を軽減する。建築投資を促すために住宅補修費の税控除も拡大する。緊縮財政を一部修正し、経済成長によって財政再建を側面から支援するのが狙いだ。

主要政党もモンティ政権が打ち出した経済対策におおむね賛同しており、8月中旬までに立法化する。最大800億ユーロ(約8兆円)規模となる見通し。今後数年間で集中的に実施し、住宅補修費の税控除などは10年程度続ける。

財源は政府系企業や国有地の売却資金などを充て、財政赤字が膨らまないようにする。まず海外進出促進公社など政府系3社を売却する。中央省庁の人員削減で節約した資金も経済対策に回す。有料道路などのインフラ整備は民間資金の活用を検討する。ただ、十分な財源を確保できるかは不透明で、財源不足で対策の規模が縮小される可能性もある。

イタリア財務省によると、今年1~4月の税収は計画より2.9%少ない1190億ユーロにとどまった。モンティ政権は昨年11月の発足以降、増税策を相次いで実施してきたが、景気の悪化で税収は低迷している。このため、緊縮財政を一部緩和し、経済成長を底上げすることで税収増を図る。

5月末に上院を通過後、下院での審議が難航していた労働市場改革法案に関しては、モンティ首相と主要政党が法案の一部修正で合意。欧州連合(EU)首脳会議前の27日までに可決・成立する可能性が高まった。

今後の最大の焦点は付加価値税(VAT)の改定問題だ。今秋から21%のVATを23%に引き上げる予定だったが、モンティ政権は景気に配慮して据え置くことも検討している。ただ、実際に引き上げを見送った場合、市場が「財政再建路線が崩れた」と受け止め、国債利回りが上昇する懸念がある。市場の動向も見ながら、難しい判断を迫られそうだ。

イタリアの10年物国債の流通利回りは現在5.8%前後。スペイン国債につられて6月中旬には6.2%まで上昇したが、信用不安の後退で小幅に低下している。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報