2019年1月23日(水)

タイでクーデター、軍が全権掌握 暫定首相任命へ

2014/5/23付
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【バンコク=高橋徹】タイ陸軍のプラユット司令官は22日夕、テレビを通じて演説し、午後4時半(日本時間同6時半)で憲法を停止するとともに、軍が同国の全権を掌握したと発表した。タイではタクシン元首相派と反対派の対立が激化し、混乱が続いてきた。軍事クーデターはタクシン氏が失脚した2006年以来、8年ぶり。軍の強権発動と政治介入がまたも繰り返された。

軍と警察による「国家平和秩序維持評議会」が統治の全権を握った。プラユット氏は「安全保障や国民の生命・財産が脅かされている」と指摘し、事態の正常化と「全勢力に公平を期した国家改革」をクーデターの理由に挙げた。

軍は治安維持のため全土に夜間外出禁止令を発令した。時間は午後10時から翌午前5時。5人以上の政治集会も禁じた。憲法は王室に関わる条項を除いて停止し、ニワットタムロン首相代行など現政権の18閣僚に軍への出頭を命じた。司法機関や上院は存続する。

国軍筋によると、現政権に代わる暫定政権の首相にキティポン・キティヤラット元法務次官(55)を任命することを決定。同氏を中心に閣僚の選任を進めているもようだ。

タイでは昨秋からタクシン派の政権の打倒を目指すデモが拡大。2月の総選挙は反政府派の妨害で無効となり、今月7日には憲法裁判所による違憲判決を受けインラック政権が崩壊した。軍は20日に全土へ戒厳令を発令し、対立勢力の調停に乗り出していた。

軍は22日午後2時から前日に続いて政府や与野党、デモ隊などの代表を集め、打開策を話し合っていた。だが協議はまとまらず、軍は同4時ごろに選挙管理委員会と上院を除く各派の出席者22人を拘束。その後、全権掌握を表明した。拘束者には現政権の閣僚や最大野党・民主党党首のアピシット元首相、反政府デモ隊を率いるステープ元副首相らが含まれる。

今後、タクシン派の反発は必至で、タイの政治情勢は一段と混迷する可能性もある。

22日深夜までに大きな混乱は起きていない。ただ郊外に向かう幹線道路は軍による検問で渋滞が激しくなっている。テレビやラジオは全チャンネルが通常放送を停止し、静止画像と音楽を流している。

地元メディアによると、クーデターの表明直後、首都西郊外の政府支持派の集会拠点に国軍兵士が現れ、解散を命令。座り込んだ一部の参加者が兵士と小競り合いとなり、身柄を拘束されたもようだ。首相府近くで集会を続けていた反政府派も集会を解散した。

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