2019年2月22日(金)

ギリシャ、財政再建先見えず 構造問題根深く

2011/7/23付
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【パリ=古谷茂久】ユーロ圏17カ国が総額1600億ユーロ(約18兆円)の第2次金融支援を決めたことで、ギリシャの債務危機はひとまず回避された。だが昨年の金融支援から1年余りで追加支援を余儀なくされた同国が抱える経済・社会の構造問題は根が深い。政府は明確な成長戦略を描けておらず、財政再建の先行きは見通せないままだ。

「新マーシャルプランだ。希望の扉を開く」(ギリシャ主要紙のタネア)など地元では2次支援決定を歓迎している。22日にはギリシャのATE銀行(ギリシャ農業銀)株が約2割高となるなど、ギリシャ金融株は軒並み5%を超え大幅上昇。ギリシャ向け債権が大きい仏主要行も約3%高となっている。

ギリシャは追加支援を受ける条件として6月に中期財政再建計画を決定。2015年までに財政赤字を284億ユーロ減らす目標を掲げた。パパンドレウ首相は22日の記者会見で「14年までに公的債務を260億ユーロ削減する」と表明した。

問題は計画の実現可能性だ。公務員の既得権剥奪や年金改革、増税など痛みを強いる改革に国民は激しく反発し、労働組合や若者は断続的抗議活動を繰り返している。政権は基盤が脆弱で、財政再建策の国会承認でも与党の離反者が続出した。

市場では現政権が再建計画を実行するのは困難との見立てが大勢。同国では民間に比べ手厚く保護されている公務員が労働人口の約3割を占め、公務員改革を実行しようとすると政権が倒れる悪循環に陥りがちだ。

一方で税収増を実現するための経済成長は軌道に乗らない。10年の成長率はEU予測を大幅に下回るマイナス4.5%。超緊縮策が経済をさらに下振れさせる懸念も強まる。膨大な額に上るとみられる脱税対策でも政府は有効な手を打てない状況だ。

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