2019年2月24日(日)

カダフィ大佐側、長期戦狙いか 所在不明で亡命観測も

2011/8/22付
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【カイロ=花房良祐】内戦状態に陥ったリビアで反体制派が21日夜、首都トリポリに入城した。最高指導者カダフィ大佐の所在は不明で、22日は政権の戦車部隊や狙撃手が中心部で抵抗を続けている。トリポリは人口約110万人を有するリビア最大都市。市街戦の激化で市民の犠牲が増えるのを避けるためにも、欧州など諸外国は大佐の即時退陣を求めている。

国営テレビは21日夜にカダフィ大佐の演説を音声だけで放送。大佐は「トリポリにいる」と最後まで戦うことを改めて宣言し、支持者に武器を取って戦うよう呼びかけた。ただ、本当に首都にとどまっているかは確認されていない。22日午前にロンドンで会見したキャメロン英首相は大佐の所在を把握していないと述べた。既に首都を脱出したとの観測も浮上している。

大佐の居住区兼軍事基地のバーブ・アジジヤ地区は政権側の最重要拠点で、政権側の兵士が多数詰めている。同地区では銃撃戦が発生しているもようだ。

反カダフィ派が予想外に早く首都入りを果たしたことについて、政権側が意図的に進入させ、レバノンのような長期の市街戦を伴う内戦に持ち込もうとしているのではないかとの指摘もある。双方が入り乱れ、市民も巻き込まれやすい市街戦では北大西洋条約機構(NATO)の空爆も効果的な支援が期待できない。

政権のイブラヒム報道官は21日夜の記者会見で市民の被害の大きさを強調。NATOに空爆の停止、反カダフィ派に即時の停戦と和平交渉を呼びかけた。

カダフィ政権の支配地域はリビア中部シルトや南部サブハにも依然として残る。シルトは大佐の出身地で支持者が多く、同国で2月に抗議活動が発生して以降、反旗を翻していない。

一方、サブハは南部の砂漠地帯。政権側の部隊が砂漠地帯に逃げ込み、ゲリラ化して北部の地中海沿いの都市部に散発的な攻撃を続ければ国内の混乱は長引く。イラクのサダム・フセイン元大統領も首都バグダッド陥落後に長期の逃亡生活を送った。

カダフィ大佐の亡命観測もあるが、亡命先は限られる。中東の衛星テレビ局は22日、南アフリカがカダフィ政権と接触し、大佐の亡命先を探していると報道した。南ア政府は否定したが、大佐がオイルマネーを元手にした援助資金をばらまいたため、アフリカ諸国には親カダフィ的な政府が多い。アンゴラやジンバブエなどに亡命する可能性も取りざたされている。

大佐は南米ベネズエラのチャベス大統領とも盟友で、抗議活動が一気に広がった2月にはベネズエラに亡命したとの噂も一時流れた。

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