2018年6月20日(水)

[FT]ロンドンの住宅価格上昇を抑えよ(社説)

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2014/5/22 14:00
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 人々がむやみに借金を重ねることで住宅価格が上昇すると、それに続く景気後退は深刻かつ長期化する傾向がある。過剰な負債に苦しむ家計は、消費を大幅に切り詰める。すると国内総生産(GDP)も雇用も悪化の一途をたどる。

ロンドンの住宅街。英国では住宅バブルを懸念する声が強まっている=ロイター

ロンドンの住宅街。英国では住宅バブルを懸念する声が強まっている=ロイター

 これは英国が2008年の金融危機後に経験した苦い経験だ。そして政府が英中央銀行イングランド銀行(BOE)内部に金融行政委員会(FPC)を設置したのもまさに再発防止が狙いだった。昨年、「英国の金融システムの回復力を強化する」任務を付託されたFPCは、規制のすきまを埋め、金融リスクの監視と波及防止をめざす活動をスタートした。貸し出しに上限を設け、借り入れ基準を定め、銀行の資本要件を変更する権限をもつ。

 FPCは想定以上に早く、最初の試金石に直面している。6月に開かれる会合で、過熱の兆しを示す住宅市場に介入するかどうかを決定しなければならない。

■価格上昇率は17%

 今週、BOEのカーニー総裁は、住宅価格が景気回復の最大の脅威になると指摘し、キャメロン首相もこれに同意した。両者が心配するのは当然だ。全国的な住宅価格は“わずか”年率8%の上昇だが、ロンドンの上昇は17%で推移し、衰える気配がない。首都の不動産は金融危機前の最高値を25%上回る水準で販売されている。

 BOEは賢明にも、全国的な金利引き上げでロンドンの住宅問題に対応することは避けた。利上げの時期は近づきつつあるが、英国の景気回復は、企業投資を冷え込ませるリスクと比較できるほど十分に力強いものではない。また、たとえ実際に利上げされたとしても、価格上昇が著しい分野への影響は限定的だとみられる。

 最も懸念されるのは資金の問題だ。ロンドンの住宅を購入するために借金をした人々は収入に対する負債比率が他の地域よりも高く、住宅ローンの金利上昇によって大きなリスクにさらされる。それゆえFPCが直面する問題は、南東部以外では年率4.7%と緩やかな上昇にとどまる住宅市場に悪影響を及ぼすことなく、ロンドンのリスクをいかに抑えるかということだ。

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