2018年11月18日(日)

ESMの7月1日発足に暗雲 ドイツ大統領が法案署名見合わせ

2012/6/22付
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【ベルリン=赤川省吾】ドイツのガウク大統領は21日、資金繰り難に陥った国を資金支援する欧州安定メカニズム(ESM)の設立法案の署名を当面は見合わせると表明した。ドイツの税金を南欧のために使うことに反対する野党の一部が憲法裁判所に提訴しているためだ。ドイツの与野党対立の余波でESMの7月1日発足に暗雲が漂っている。

欧州各国は暫定機関として立ち上げた欧州金融安定基金(EFSF)の後継組織としてESMを7月に新設することで一致した。これを受けて最大の資金の出し手である独政府も法整備を進めた。メルケル政権を支える保守系と中道系政党は、最大野党の社会民主党(SPD)や緑の党と今月29日に国会審議を終えることで合意している。

だが南欧支援に批判的な世論の風向きを読んだ最左派の野党・左派党が猛反発。憲法裁判所に提訴し、「基本法(憲法)違反か調べる」とのコメントを引き出した。これをガウク大統領は「尊重した」としている。

ESM設立法案が白紙撤回される公算は小さい。与党幹部は独紙フランクフルター・アルゲマイネに「国会審議は予定通り行う」と語ったが、野党の牛歩戦術で成立が遅れる恐れはある。そうなれば野党はESMの設立予定日のぎりぎりまで国会審議をしなかったメルケル首相の危機管理能力を問うことができる。

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