略奪の跡、再建へ休日返上 中国・日系百貨店ルポ

2012/9/23 2:00
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日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化したことで中国各地で起きた週末デモから22日で1週間。中国南部、湖南省の省都・長沙市から南へ約60キロメートル離れた株洲市中心部は車のクラクション音が鳴り響き、歩道は人であふれていた。だが、そこだけは静寂に包まれていた。

平和堂の株洲店は青空模様のシートで破壊されたガラスを覆い隠していた(22日、湖南省株洲)

入り口上部には2羽のハトのマーク。その下に「平和堂」の大きな文字が見える。15日、数千人といわれる暴徒に襲われた日系百貨店、平和堂株洲店だ。店舗を覆う青空を模したシートの隙間からは粉々に割れたガラスが目に飛び込む。「あの日は夜10時ごろまで騒いでいた」。暴挙の現場を目撃したという市民の一人は、その痛々しい傷痕を前に証言した。

滋賀県を中心にスーパーを展開する平和堂。1998年に同県の友好都市である湖南省に進出。以来、地域密着で育てた全3店舗が15日、デモ隊の襲撃を受け、宝飾品や化粧品、衣類などの商品が略奪された。

株洲店から歩いて5分。中国資本の商業施設内の携帯電話機売り場ではソニー関連の看板だけが中国国旗で覆い隠されていた。店舗関係者がいまだ反日ムードを警戒していることをうかがわせる。

それでも平和堂は再建に動く。22日も従業員は休日返上で被害実態の調査を進めた。「できるだけ早く復旧させる」。同社幹部は力を込める。

待っているのは顧客だ。長沙市内の「東塘店」の食品コーナーをよく利用する60歳代の主婦は「ここは品質もサービスもよかった」と、店舗再開を心待ちにしている様子で話していた。(長沙=菅原透)

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