スペイン銀行支援、7月9日に実施額決定へ
ユーロ圏財務相会合
ユーロ圏17カ国は21日、財務相会合を開き、ユンケル議長(ルクセンブルク首相)は会合後の記者会見でスペイン政府が25日までに銀行支援を正式申請するとの見通しを明らかにした。早ければ22日にも申請する可能性がある。銀行の経営再建策などを交渉し、7月9日の次回のユーロ圏財務相会合で支援内容を決定する方向だ。
スペイン政府は21日、銀行部門の資本不足が最大で620億ユーロ(約6兆2千億円)に達すると発表。デギンドス経済相は財務相会合で、銀行分野の状況を説明した。AFP通信によると、フランスのモスコビシ経済相は22日に支援申請があるとの見方を示した。
スペインからの正式な支援申請を受けたうえで、支援の条件となる銀行分野の再建策などを交渉し、具体的な支援額を詰める。当初は21日中に支援申請するとの見通しもあった。スペイン紙パイスは「支援をいったん申請すると(条件)交渉力が落ちるため、時間稼ぎを狙った」と報じている。
新政権が動き出したギリシャに関しては、今月末までに欧州金融安定基金(EFSF)から10億ユーロを資金供給することも決まった。5月に42億ユーロの資金を供給した際に、10億ユーロを留保していたもので、新規の追加資金供給ではない。
25日に国際通貨基金(IMF)と欧州中央銀行(ECB)との合同調査団をアテネに派遣することも固まった。調査団はギリシャの経済情勢や政策の実施状況などを査定するという。欧州委員会のレーン副委員長(経済・通貨担当)は「ギリシャの財政は短期的に問題ない」としており、欧州連合(EU)などは一定の時間をかけてギリシャの新政権の姿勢を見極める可能性が高い。
(ルクセンブルク=御調昌邦)