2019年2月20日(水)

アイルランドに緊急融資へ EUとIMF、最大10兆円
支援制度を初適用へ

2010/11/22付
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アイルランドのカウエン首相がEUとIMFに金融支援を要請したと表明

アイルランドのカウエン首相がEUとIMFに金融支援を要請したと表明

【ロンドン=上杉素直】信用不安が広がるアイルランドは21日午後(日本時間22日未明)に臨時閣議を開き、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に金融支援を求めることを決めた。EU・IMF側は要請に基本的に合意、5月に創設した総額7500億ユーロ(約85兆円)の緊急融資制度を初めて適用する見通し。今後は同国の金融と財政を再建する具体策が焦点になる。

臨時閣議後にカウエン首相がダブリンで記者会見し、「政府はEUに支援を要請し、EUの同意を得た」と明らかにした。ロイター通信などはEU関係者の話として支援額は800億~900億ユーロ(約9兆~10兆円)になると伝えている。

EUはギリシャ財政危機を受けた今年5月、通貨ユーロの信認を守るためIMF融資と合計で7500億ユーロの国家支援の緊急融資制度を設けた。ギリシャにはこの緊急融資制度と別枠で1100億ユーロを支援しており、アイルランドが最初の制度利用国になる方向。

アイルランドの支援要請を踏まえてEUが発表した声明によると、ユーロに参加していない英国とスウェーデンもアイルランド支援の用意があるとEUに表明した。英BBCは英国が2国間支援を含めて70億ポンド(9000億円強)を提供する方針だと報じた。

金融市場ではアイルランド政府が銀行支援に要する歳出増大への懸念が強まり、今月前半に同国の国債価格が急落。政府とEU・IMFは不動産バブル崩壊で傷んだ銀行の再建策を先週後半から協議している。同国が支援要請に踏み切ったことで、EU・IMFが再建策作りの主導権を握る構図が鮮明になる。

欧米メディアによるとアイルランド中央銀行のホノハン総裁は「アイルランドの金融システムは同国中央銀行だけでなく欧州の諸制度に支えられていることが確かめられた」とコメントした。

アイルランド政府は21日の臨時閣議で討議した2014年まで4年間の財政再建計画を週内に発表する予定。国内総生産(GDP)の32%に膨らんだ財政赤字を3%に下げるのが目標。4年で150億ユーロ(約1兆7000億円)という歳出削減の大枠がすでに示されている。低法人税率の引き上げを求める声が周辺国にあるが、アイルランド側は抵抗している。

欧州ではポルトガルやスペインにも財政不安がくすぶり、今月に入って一時、国債価格が大きく下がった。アイルランドの支援要請を受けた週明け22日午前(日本時間同日夜)の欧州市場の反応が注目される。

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