2019年8月17日(土)

米医療保険改革法案、7票差で下院可決
オバマ政権の最重要課題

2010/3/22付
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【ワシントン=御調昌邦】米下院は21日夜(日本時間22日午前)の本会議で、オバマ大統領が内政の最重要課題に掲げてきた医療保険改革法案を賛成多数で可決した。昨年末に上院が可決した案を土台にした内容で、下院通過により法案成立は確実になった。今後10年間で保険加入率を95%に引き上げ、歴代大統領が取り組みながら実現できなかった「国民皆保険」へ前進した。

下院本会議の採決は賛成219票、反対は212票。さらに下院の意見を反映した法案の修正条項も可決した。修正条項は上院でも近く通過する見通しだ。下院採決を受けてオバマ大統領はホワイトハウスで「採決は現在の医療保険を何とかしてほしいと思っている米国民の願いに応えるものだ」と表明。早期に署名・成立させる考えだ。

法案は10年間で9400億ドル(約85兆円)を投じ、米国内の無保険者を3200万人減らすという内容。米国の保険加入率は現在83%で、先進国の中で唯一、国民皆保険を実現していない。財政負担の拡大に対応するため高額の保険への課税や高齢者向け公的保険の効率化を推進。結果的に財政赤字を1380億ドル削減できるという。

米国の国民皆保険を目指した医療保険改革はトルーマン、ケネディ、クリントンといった民主党政権が挑戦してきたが、いずれも失敗。政府の役割が肥大化することに対する警戒感から世論も二分されていた。オバマ大統領は改革実現を公約したが、議会での審議が難航し、今月予定していたアジア太平洋地域への外遊を延期した経緯がある。

下院の採決は最後まで行方が不透明だったが、大統領が反対派議員の選挙区に自ら足を運び、有権者を説得。法案への態度をぎりぎりまで留保していた民主党議員を取り込んで、7票差の可決に持ち込んだ。医療費の高騰で無保険者が国民の6人に1人にあたる約4600万人に膨らんだ事情も背景にある。

ただ、共和党側の反対は根強く、民主党の一部も反対に回った。法案の目玉だった公的保険制度の導入は見送られた。支持率の低迷に直面する大統領は、最大の懸案にメドをつけ、他の内政・外交課題でも巻き返しを狙うが、政権浮揚に直結するかどうかは不透明だ。

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