[FT]転換期の中国経済、新たな成長軌道に乗れるか

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2012/3/22 7:00
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(2012年3月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国は、従来よりも経済成長率が低く、成長のパターンも異なる状況に移行する難しい局面に入りつつある。筆者は先日、北京で開催された今年の中国開発フォーラムに参加してこの結論に至った。これは経済的な移行であると同時に政治的な移行にもなる。この2つは互いに複雑に作用し合う。共産党支配の下で実現したこれまでの経済的成功は、それに匹敵する輝かしい将来を保証するものではない。

■成長モデルの転換点にある中国

全人代閉幕後の記者会見に臨む中国の温家宝首相(3月14日、北京)=AP

全人代閉幕後の記者会見に臨む中国の温家宝首相(3月14日、北京)=AP

読者は筆者の言葉を真に受ける必要はない。遠からず退任する温家宝首相が3月14日に述べた次の発言を聞けばいい。「中国の改革は決定的に重要な段階に差し掛かった。政治の構造改革が成功しなければ、経済の構造改革を徹底することはできない。これまでの改革や開発で得た成果が失われるかもしれないし、中国社会に生じた新たな問題を根本から解決することはできない。文化大革命のような歴史上の悲劇が繰り返される恐れもある」

こうした政治的な問題は非常に重要だ。しかし、経済的な移行自体も十分大変だろう。中国は経済学で言う「外延的成長(労働力と資本の投入を増やすことによる経済成長)」の終わりに近づいている。これからは「内包的成長(スキルや技術の向上による成長)」に移行しなければならない。

今後の展開で重要なのは、過去30年間の平均で年率10%近い高水準の経済成長率が急激に低下することだろう。この移行を一層難しくするのが、中国の外延的成長の性質だ。特に問題なのは投資の比率が非常に高いことと、需要の源として投資に大きく依存していることだ。

■成長の原動力だった農業の過剰労働力

西インド諸島出身のノーベル経済学賞受賞者、故アーサー・ルイス卿の経済発展モデルに照らして言えば、中国は労働過剰国ではなくなりつつある。ルイスによれば、農業における過剰労働力の最低生活水準所得は、近代的部門の賃金を低く抑える。このため、近代的部門の利潤率は非常に高くなる。

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