2018年11月22日(木)

ユーロ圏財務相会合、ギリシャ追加支援合意
民間負担引き上げ

2012/2/21付
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【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)のユーロ圏財務相会合は21日、ギリシャ向け第2次金融支援(追加支援)で合意した。財務相らは民間投資家が保有するギリシャ国債の元本削減率の引き上げを要請。民間側が受け入れた。ギリシャの政府債務の対国内総生産(GDP)比率を現在の約160%から2020年までに120.5%まで低下させることなどが決まった。

ギリシャが無秩序なデフォルト(債務不履行)に陥るとのシナリオは当面、回避できたが、債務危機から完全に脱することができるかどうかは予断を許さない。

会合議長でルクセンブルク首相のユンケル氏が会合後の21日早朝に記者会見した。

第2次支援はEUと国際通貨基金(IMF)による1300億ユーロ(約13兆6500億円)規模の支援と、民間債権者によるギリシャの債務削減への協力が2本柱だ。ユーロ圏財務相らは民間側が保有するギリシャ国債の元本削減率を当初案の50%から53.5%まで引き上げるよう求めていた。

ユーロ圏財務相会合と並行して、ギリシャのパパデモス首相らが民間債権者の代表、国際金融協会(IIF)のダラーラ専務理事らと交渉。財務相会合は20日午後(日本時間同日深夜)に始まり、13時間を超える異例の長時間協議になった。ギリシャが3月20日の145億ユーロの国債償還で無秩序なデフォルトを回避するために残された日数は少なく、今回の会合での決着を急いでいた。

▼ギリシャ支援を巡る合意内容の骨子
EUとIMFが1300億ユーロ(約13兆6500億円)を支援
民間債権者が保有するギリシャ国債の元本削減率を53.5%に引き上げ
各国の中央銀行が支援に参加
ギリシャの対GDP債務比率を現状の160%から2020年に120.5%に

EU・IMFの試算によると、当初予定していた第2次支援を実施しても、20年時点でギリシャの政府債務の対GDP比率は129%までしか低下せず、目標の120%を実現するための追加策が残された大きな論点となっていた。

ギリシャ国債を保有する欧州各国の中央銀行が債務削減に協力する。

EU内で民間の追加負担が急浮上した背景には、現状で債務削減できるのはGDP比で120%台前半にとどまり、残りの数%を穴埋めする必要に迫られた事情がある。ギリシャ支援に議会承認が必要なドイツやオランダなど北部欧州は1300億ユーロを上回る負担に慎重で、官民が負担を押しつけ合う構図となった。

一方、EU・IMFによるギリシャの財政再建・構造改革の実行を監視する方策も焦点。オランダのデヤーヘル財務相は記者団に、EUの欧州委員会欧州中央銀行(ECB)、IMFの3者(トロイカ)が「ギリシャに常駐して監視にあたるべきだ」との見解を示した。ギリシャは財政主権が実質的に制約されるとして、難色を示す可能性がある。

ギリシャが3月20日の国債償還でデフォルトを避けるには第2次支援が不可欠だった。ただ、EU・IMFの報告書によると、ギリシャの想定以上に景気が悪化するなどの場合、第2次支援を実施しても20年時点で債務の対GDP比率が160%程度に高止まりするリスクを指摘。ギリシャの財政再建の前途が厳しいことを認めている。

会合にはドラギECB総裁、ラガルドIMF専務理事も参加した。

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