独与党、1議席差で地方選敗北 メルケル政権痛手

2013/1/21付
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【ベルリン=赤川省吾】ドイツ北西部のニーダーザクセン州で20日、州議会選挙が投開票された。国政でメルケル政権を支える保守系のキリスト教民主同盟(CDU)と中道系の自由民主党(FDP)は、野党連合に1議席及ばず敗北した。

主要政党は今回の地方選を9月の総選挙の「予行演習」と位置付けており、メルケル首相には痛手となった。今後、メルケル政権は所得再配分を重視する方向にカジを切るとみられ、総選挙に向けて経済政策の政策運営が停滞する懸念が強まった。

現在、ニーダーザクセン州議会は国政と同じく、CDUとFDPの保守中道政党が連立を組み、ドイツ社会民主党(SPD)と緑の党の野党連合と対峙する。両与党は今回、議席数合計だけでなく得票率合計でも野党連合をわずかに下回った。

公共放送ARDによるとCDUは得票率36%で第1党の座を維持した。ただ、2008年の前回選挙より6ポイント減らし、FDPの10%弱と合わせても、46%強を獲得した野党連合に及ばなかった。

得票率の確定後、主要政党は連立交渉に入るが、保守中道政党が下野して中道左派主体の政権となる可能性がある。連邦参議院(上院)は州政府の代表者で構成するため、メルケル政権の基盤も弱まる。

保守陣営はメルケル人気と底堅い景気を追い風にして優位に選挙戦を進めたものの、終盤で失速した格好。惨敗の予測が出ていたFDPは保守層から流れた同情票などを集めたとみられ、空前の高い得票率を得た。

陣営引き締めに失敗し敗北したCDUは、9月の総選挙に向けて体制立て直しを迫られる。メルケル政権は所得再配分に重きを置く労働政策を打ち出すなどして、野党支持層の切り崩しを図るとみられる。

一方のSPDは、自動車大手フォルクスワーゲンが本拠地を置くニーダーザクセン州で、1960~90年代まで4割を超す得票率を維持していた。今回躍進したとはいえ、同党の得票率は32%にとどまる。与野党の勢力伯仲という結果は、国政レベルでもCDUとSPDの対決姿勢に火を付けることが予想される。

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