2018年11月14日(水)

米爆破テロ、兄弟だけで実行か 動機の解明が焦点
容疑者、イスラム信仰強く

2013/4/21付
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【ワシントン=中山真】米東部マサチューセッツ州ボストンで起きた連続爆破テロ事件で、米捜査当局は容疑者の兄弟が犯行に至った動機や背景の解明を急いでいる。イスラム過激派との接点が焦点で、当局は死亡した兄(26)のロシア渡航歴などに関心を寄せているもようだ。一方、米連邦捜査局(FBI)が容疑者を2年前に事情聴取していた問題が浮上。オバマ政権に打撃となる可能性も出てきた。

19日に銃撃戦の末に逮捕された弟のジョハル・ツァルナエフ容疑者(19)は重傷を負い、ボストン市内の病院に入院中。ロイター通信によると、同容疑者はのどを撃たれて会話ができない状態という。パトリック・マサチューセッツ州知事は21日の米CBSテレビ番組で「犯行動機は分かっていない」「FBIはまだ容疑者から聴取できていない」などと語った。

兄弟だけで実行か

捜査当局は20日、同容疑者の自宅や逃走に使った乗用車などを捜索し、新たにパイプ爆弾5個と手りゅう弾3個を発見。ハンドガンやライフル銃などを所有していたことも明らかになり、一連の武器・弾薬などの入手経路の解明を急いでいる。

米CNNテレビによると、ジョハル容疑者が逮捕されたボストン近郊ウオータータウンの警察幹部は20日、同テレビに対し、同容疑者と死亡した兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者以外に共犯はおらず、兄弟2人だけでテロを実行したとみていると明らかにした。

司法省当局者はCNNに対し、ジョハル容疑者が近くテロや殺人などの容疑で訴追されるとの見通しを示した。

ロシア渡航歴に関心

容疑者への事情聴取ができないなか、捜査当局は兄のタメルラン容疑者が2012年1月にロシアを訪問していた事実に関心を示しているもようだ。同容疑者は両親の出身地とされるロシア南部のチェチェン共和国と、隣接するダゲスタン共和国に半年間滞在。両共和国はロシアからの分離独立を主張するイスラム過激派が活発に活動しており、接点があった可能性がある。

関係者らの証言によると、タメルラン容疑者はこの12年のロシア訪問以降、米国での孤立感を深めたという。容疑者のおじは米NBCテレビのインタビューで「だれかが洗脳した。すべてのことを神の言葉に結びつけているのを聞いてショックを受けた」と証言。ロシア訪問後に急速にイスラム教への信仰を強めていったことを示唆した。

ロシアから帰国後、タメルラン容疑者が投稿型動画サイトにジハード(聖戦)に関する複数の動画を掲載していた事実も判明している。

オバマ米大統領は19日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談し、今後ともテロ対策で連携する方針を確認。20日にはFBIのモラー長官から報告を受け、事件の全容解明を指示した。捜査当局はロシアからも情報提供を受けながら、動機や背景をさらに調べる方針だ。

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