2019年2月16日(土)

ベルギー王室に世代交代の波 新国王、難局下の即位

2013/7/22付
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【ブリュッセル=御調昌邦】ベルギーのアルベール2世国王が21日退位し、長男のフィリップ皇太子が新国王に即位した。王位継承は20年ぶり。「引退」の理由として高齢や健康を挙げたが、同国の政治・経済情勢や王室のスキャンダルも絡んでいるとみられる。オランダも4月末に女王が退位しており、欧州の王室は世代交代の波に見舞われている。

「ベルギーの団結のために辛抱強く働いてほしい」。アルベール2世国王は21日の退位式で、参列した王族や政府首脳らに国王として最後の要請をした。同国は現在、政治・経済が非常に難しい問題を抱え、王室への批判も強まっているという背景がある。

同国で国王が生前に退位するのは1951年に続き2度目。この時は、第2次世界大戦中にドイツ軍に降伏した国王の復帰に関する混乱を鎮めるための退位という特別な事情があった。

今回の退位の主な理由として、来年5月の議会選前に動いたとの見方がある。ベルギーは北部のオランダ語圏と南部のフランス語圏の対立が根深い。2010年の議会選後には、両勢力の対立で500日超も新政権が発足できなかった。

オランダ語圏の分離・独立を主張する右派政党、新フランドル同盟(N―VA)が勢力を広げる。前国王は、次の選挙後に政治情勢が一段と不安定になることを懸念し、その前の退位に踏み切った可能性がある。

21日には多くの国民が首都ブリュッセル中心部に集まり祝賀ムードを高めた。だが、ベルギーも財政再建に取り組んでおり、王室予算への視線も厳しさを増している。

ベルギー王室には豪華なヨット購入や相続税逃れ疑惑が浮上。議会は国民の不満を背景に、王族への課税や手当削減を盛り込んだ法案を可決した。アルベール2世国王には隠し子問題もくすぶり、新国王は王室の信頼回復という大きな課題を背負っての即位となった。

ベルギーと同様に、スペインなどでも王室のぜいたくな暮らしに批判が根強い。各王室は「改革」圧力の高まりにもさらされている。

一方、オランダも4月末にベアトリックス前女王が退位し、ウィレム・アレクサンダー国王が即位した。英国のエリザベス女王に退位の観測はないものの、欧州の王室の高齢化は進んでいる。

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