2019年2月18日(月)

エジプト暫定政権、強権姿勢が鮮明 死者900人に

2013/8/21付
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【カイロ=久門武史】エジプト暫定政権が強権的な姿勢を鮮明にしている。イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の最高指導者バディア氏を20日に逮捕。治安部隊が同胞団支持派を強制排除した14日以降の衝突で、全土の死者は900人に達した。暫定政権の副大統領を辞任したエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長の訴追の可能性も伝えられ、政権内部の引き締めにも動いている。

同胞団などモルシ前大統領支持派は20日夜も、各地で暫定政権に抗議するデモを展開した。治安部隊との目立った衝突は伝えられていない。同胞団支持派は夜間外出禁止令に反し、連日の夜間デモを強行している。

中東の衛星テレビ、アルジャズィーラによるとバディア氏は20日、カイロの刑務所に移送された。AFP通信はバディア氏には殺人を扇動した疑いがかけられていると伝えた。

同胞団は暫定政権への抵抗をなお継続する方針。暫定的な指導者に昇格した同胞団幹部のマフムード・エザット氏は強硬派として知られ、暫定政権との対立が一段と先鋭化する可能性がある。ただ、既にシャーテル副団長ら幹部が相次いで拘束されており、バディア氏の不在は大きな痛手。統制力の低下を指摘する声もある。

夜間外出禁止令は14日から続く。AP通信によると、政府系アルアハラム紙の記者が19日夜、夜間の検問所で兵士の銃撃で死亡した。

エルバラダイ氏を巡っては、司法当局が訴追手続きに着手したとアルアハラム紙が20日、報じた。司法当局がヘルワン大学の教授からの告発を受理したとしている。事実なら、暫定政権が批判を封じる姿勢を強めていることになる。

同氏はカイロで座り込みをしていた同胞団支持派の強制排除に反対したが、暫定政権が14日に排除に踏み切ったため辞任した。既にエジプトを出国しウィーンに滞在している。

暫定政権は強権的な姿勢で混乱の幕引きを狙うが、同胞団側の一段の反発を招きかねず、戦略が裏目に出る可能性もある。暫定政権の対応を巡って国際社会の対応も割れており、早期収拾の決め手は見当たらない。

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