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ウクライナ衝突、収拾メド立たず EUは制裁圧力

(更新)

【モスクワ=田中孝幸】ウクライナの首都キエフで20日、警官隊と反政権デモ隊が再び衝突し、多数の死傷者が出た。一部では銃撃戦も発生。19日にいったん合意した「停戦」は白紙に戻り、本格的な市街戦になる恐れも出てきた。欧州連合(EU)はキエフに独仏外相を派遣し、制裁による圧力で対話を促しているが、現政権を支援するロシアが強く反発。事態収拾の見通しは立っていない。

キエフでは18日から19日にかけてデモ隊と治安部隊の大規模な衝突が勃発。少なくとも28人が死亡し、1991年の独立後のデモでは最悪の死傷者を出す惨事となった。同日夜にはヤヌコビッチ大統領と野党勢力の代表がいったん「停戦」を目指すことで合意した。

しかし20日午前に市内中心部で衝突が再燃。市当局によると、18日から20日にかけての死者は計64人に達したという。

過激化したデモ隊は市内中心部の独立広場を奪回。議会周辺まで支配地域を拡大した。銃撃戦も頻発し、デモ隊は67人の警官隊を人質に取って大統領の即時辞任を要求。一方、内務省は警官隊に銃器を追加配布し、治安回復のための発砲を許可した。今後、本格的な市街戦となれば、死傷者はさらに増えそうだ。

事態悪化を受けて米政府は19日、ウクライナ政府の高官約20人に米国への入国査証(ビザ)発給を拒否する制裁を発動した。EUも20日に緊急の外相理事会を開催。弾圧に関与した一部当局者の資産凍結などの制裁措置を協議する。

フランスのファビウス外相とドイツのシュタインマイヤー外相は20日、キエフでヤヌコビッチ大統領や野党指導者と会談。制裁措置や独自の経済支援など「アメとムチ」を示し、大統領選の前倒しなど事態沈静化に向けた歩み寄りを促したが、調整は不調に終わった。

一方、ロシアのラブロフ外相は20日、ウクライナに制裁をちらつかせるEUの動きを「脅迫のようだ」と強く非難。大統領選の前倒し実施についても「ウクライナに(親EUへの方針転換の)選択を押しつけようとする彼らの意図は明らかだ」として反対する意向を表明した。

ヤヌコビッチ大統領は20日、ロシアのプーチン大統領に電話し、野党勢力との仲介を要請。プーチン氏はこれに応じ、ルキン人権問題代表をキエフに派遣すると伝えた。

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