2018年8月15日(水)

韓国で政府批判、情報把握「遅すぎ」 金総書記死去
国防相「ニュースで知った」

2011/12/20付
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 【ソウル=島谷英明】北朝鮮による金正日総書記死去の発表から一夜明けた20日、韓国では国会審議や報道などで予兆を事前に察知しきれなかった李明博(イ・ミョンバク)政権の実態が徐々に明らかになり、政府批判が一気に高まった。情報機関や国防相が発表後に事態を知ったことなども判明。事態を重く見た政府は関係閣僚会議などを相次ぎ開いて状況分析と対応協議を急いだが、中国漁船の海洋警察官殺害事件に続き、政権への逆風が一層強まりつつある。

 20日付韓国紙、朝鮮日報は「軍統帥権者の李大統領が金総書記の死亡を知らないまま2日間日本にいた」事実を指摘。李大統領が出国したのが金総書記が死亡したとされる17日午前8時半から約4時間後であったことも踏まえ、事態の予兆を把握していなかった情報機関の国家情報院について「存在理由は何なのか」と厳しく糾弾した。

 東亜日報は北朝鮮メディアが金総書記死去を報じる前の19日午前、青瓦台(大統領府)では李大統領の誕生日パーティーを開いていたと伝え、規律の緩みぶりを批判。韓国軍の合同参謀本部議長は金総書記死去と、北朝鮮の権力空白状態による危うさを認識しないまま、19日午前に北朝鮮との境界付近の非武装地帯(DMZ)を視察していたとも報じた。

 20日の韓国国会では国家情報院が情報委員会で、金総書記の死去を「北朝鮮の発表後に知った」と説明。米国、日本、ロシアも北朝鮮の発表で情報を把握したという見解も示した。同委に出席した議員が韓国メディアに語った。

 金寛鎮(キム・グァンジン)国防相も国会国防委員会の答弁で、金総書記死去を「ニュースを見て知った」と明かした。与野党の議員は「政府機関の情報収集力は一般国民と同レベルか」「情報の把握が遅すぎる」などという声が続出した。

 一方、韓国政府は20日午前、定例の国務会議(閣議)で、金総書記死去への対応を協議した。金滉植(キム・ファンシク)首相は「朝鮮半島の平和と南北関係が安定的に維持されるようにすべての努力を傾ける」と強調。日米など関係国との緊密な協力を指示した。韓国内での経済活動や市民生活への否定的な影響を防ぐための対策をとることも各閣僚に求めた。

 同日午後には李大統領が外交安全保障関連閣僚会議を招集する。金総書記死去を巡る情報を分析し、周辺関係国との協調や対応策を話し合う。

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