2018年6月23日(土)

対日圧力緩めぬ習指導部 商船三井の船差し押さえ

2014/4/21 0:00
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習指導部は対日賠償で司法が日本側に不利な判決を下すことを止めない姿勢に転じている(3月、ベルリンでの講演)=新華社共同

習指導部は対日賠償で司法が日本側に不利な判決を下すことを止めない姿勢に転じている(3月、ベルリンでの講演)=新華社共同

 戦時中に中国の民間・個人が被った損害を巡っては、三菱マテリアルなどが強制連行した元労働者らが2月以降、北京市などの裁判所に賠償を求める訴状を相次ぎ出している。商船三井の船舶差し押さえで、歴史問題で対日圧力を緩めない習近平指導部の姿勢が改めて鮮明になった。

 日本企業の間では戦後賠償を巡る訴訟などで不利益を被る事態への警戒感が広がっている。日本企業が新規投資に慎重になるなど、中国でのビジネス展開に影響が出てくる可能性もある。

 「共産党・政府の対日賠償請求への対応は習氏が2013年3月に国家主席に就いて以降、変わってきた」。今回の案件や強制連行訴訟を支援する団体「中国民間対日賠償請求連合会」の童増会長はこう指摘する。

 日中国交正常化をうたった1972年9月の共同声明は、「中国政府は日本国に対する戦争賠償の請求を放棄する」と規定。日本政府は個人の請求権を含めて存在しないとの立場をとる。

 中国側もかつては「日中友好を重視する共産党指導部の意向」(童会長)があり、日本に賠償を求める裁判の受理・審理に消極的だった。強制連行訴訟は受理されず、商船三井の案件では差し押さえまで26年かかった。

 しかし3月には、北京市第1中級人民法院(地裁)が、強制連行の訴状を初めて受理し、正式に裁判が始まった。習指導部は請求訴訟の原告団への直接支援はしないまでも、司法が日本側に不利な判決を下すことを止めない姿勢に転じている。

 一連の賠償訴訟について地元メディアの報道は現時点で限定的。日本製品全般がボイコットされるような事態は起きていない。しかし、中国でも有名な「三井」「三菱」系企業が標的になっており、日本企業全体のイメージダウンにつながる恐れは否定できない。(上海=山田周平)

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