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中国、商船三井の船を差し押さえ 戦後賠償訴訟で

ばら積み船1隻

【上海=菅原透】中国当局は20日までに、海運大手の商船三井が中国で保有する大型の輸送船1隻を差し押さえると発表した。日中戦争が始まる直前に日本の海運会社に2隻を貸し出した中国企業の経営者の親族が、当時、未払いだった賃貸料や損失の賠償を同海運会社の流れをくむ商船三井に求めていた。中国側の裁判では商船三井の敗訴が確定しているが、同社が賠償に応じないため、異例の差し押さえとなった。

商船三井のばら積み船「バオスティール・エモーション」の差し押さえ執行を発表した上海海事法院=共同

上海海事法院(裁判所)が19日、商船三井が中国浙江省の港で保有するばら積み船「バオスティール・エモーション」の差し押さえ執行を発表した。中国の民間が起こした戦後賠償を巡る訴訟で、日本企業の資産が差し押さえられるのは初めてとみられる。

商船三井の広報担当者は20日、船舶の差し押さえに関し「詳細について確認中」とのコメントを出した。

中国メディアによると、中国企業は1936年に2隻の船舶を日本の海運会社に貸し出したが、翌年に日中戦争が始まり、日本軍が徴用して2隻とも沈没したという。

戦後、この中国企業の経営者の親族が日本政府を相手取って日本で訴訟を起こしたこともあるが、訴えは認められなかったという。

このため、親族側は1988年に船舶を借りた日本の海運会社を引き継いだジャパンラインを相手取り、上海海事法院に賠償を求める訴訟を起こしていた。

同法院によると、2007年に親族の訴えを認め、ジャパンラインを引き継いだ商船三井に対し、約29億1600万円の支払いを命じた。10年には中国最高人民法院(最高裁)が商船三井の再審請求を棄却したことで、判決が確定していた。

その後も親族側と商船三井側は和解交渉を進めていたが、折り合わなかったもようだ。今後も商船三井が賠償に応じなければ、船舶は売却される可能性がある。

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