中国、指導部交代控えスピード決着 薄氏妻に判決
共産党内の安定を優先

2012/8/20付
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【合肥(中国安徽省)=多部田俊輔】中国共産党老幹部の子弟「太子党」の一人で、今秋の党大会での最高指導部入りも見込まれていた重慶市元トップの薄熙来氏の妻による殺人事件で20日、スピード判決が下った。司法当局は薄氏本人の関与や薄家の不正蓄財などから切り離し、単純な殺人事件という構図を作り上げて妻を厳罰に処した。指導部が刷新される党大会をにらみ、安定を最優先した格好だ。

事件に関する国営新華社の報道は薄氏の妻、谷開来被告を特別視することなく、法律に基づいて真相追究を行ったと強調する。新華社が配信した「法律の尊厳を踏みにじることを許さない」という記事では、捜査で調べた証人らは延べ394人に達したと強調した。

しかし、新華社の報道や地裁の発表では、谷被告が英国人実業家の殺害に至る表面的な経緯や殺害方法ばかりに焦点が当たっている。薄氏の関与や、実業家が加担したとされる薄家の不正蓄財には触れておらず、事件の全容は不明なままだ。

谷被告の裁判と並行し、河北省の避暑地、北戴河では共産党の最高指導部や長老らが会議を重ねた。次期指導部人事などの最終調整が目的だが、薄氏の処遇も議論されたのは確実。重慶市政府関係者は「党内融和を保つため、谷被告については単純な殺人事件として扱い、薄氏に厳し過ぎる処分を下すべきではないとの意見が優勢だった」との見方を示す。

薄家の不正蓄財についても、「問題が他の指導者に広がる恐れを避けるために、触れないことで一致した」(市政府関係者)。薄氏以外の指導者の家族らが海外に渡る例もあり、インターネットなどでは不正蓄財を疑う指摘が少なくない。

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