中国海軍、東シナ海で合同演習

2012/10/19付
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中国海軍は19日、東シナ海で国家海洋局の海洋監視船などとの合同演習を実施した。領土主権と海洋権益の維持能力を高めることを目的としており、沖縄県・尖閣諸島を巡って対立する日本を軍主導でけん制する狙いがある。折から軍の一部には対日強硬論が拡大。今後、尖閣問題を念頭に置いた軍の動きが活発になり、日中間の緊張が一段と高まる可能性もある。

◆海保との攻防を想定 中国の国営中央テレビによると、演習は「東シナ海協力―2012」の名称で、海軍艦船に加え国家海洋局の海洋監視船や農業省漁政局の漁業監視船など艦船11隻と航空機8機が参加。同様の合同演習は2007年と09年にもあったが、今回の参加人数は千人で近年で最大規模という。

中国の国営新華社は「近年、中国が他国と係争している海域で、他国艦船からの道理のない追跡や悪意ある妨害を受けている」ことに対応する演習だと強調した。尖閣諸島周辺海域での日本の海上保安庁との攻防が念頭にあるもようだ。

中国外務省の洪磊副報道局長も19日の記者会見で「釣魚島(尖閣諸島の中国名)を巡る事態をエスカレートさせた責任は完全に日本側にある」と指摘。今回の演習と尖閣問題との関連を否定しなかった。

中国海軍には、海洋監視船などとの連携を強め、海洋権益の維持・拡大活動での主導権を誇示する狙いもありそうだ。

近年、東シナ海や南シナ海など周辺国との領有権争いが相次いでいる事態を踏まえ、中国では海洋関連部門の協力強化を探る動きが加速。海軍艦船や海洋監視船、漁業監視船の連携行動などを想定するものだ。

◆軽武装の警備隊構想 日本の海上保安庁の巡視船が銃器で軽武装していることから、海洋権益の維持活動の実効性を高めるために関係船舶の武装強化を求める声もある。中国の軍事専門家の中には、現在非武装の海洋巡視船を軽武装させるよう唱える意見が強い。海軍では、海洋に関連する政府の執行部隊を一元化し、軽武装させて領海警備に当たる「海岸警備隊」へと改組する案も浮上している。

中国政府関係者は異口同音に「今回の日本との対立は持久戦になる」との見通しを示す。今のところ日本への対抗措置は日本製品の不買運動や日本への観光自粛など経済分野が中心だが、中国経済自体に減速傾向が強まっているため、是非を問う声も出ている。軍を背景に日本へのけん制を狙った今回の演習に中国側の手詰まり感が表れているとみる向きも多い。(北京=島田学)

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