2019年5月24日(金)

欧州委、独自財源「EU税」創設を正式提案

2010/10/20付
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【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は19日、EUの次期中期予算(2014~20年)の一環として、EUの独自財源となる「EU税」の導入を正式に提案した。国際金融取引課税(トービン税)、金融機関の利益や報酬に課税する「金融活動税」、EU付加価値税(VAT)などを候補に挙げた。だが、加盟国の反発は必至で、EU内の調整は難航しそうだ。

EU予算は加盟国共通の政策を進めるための予算で、10年予算は約1230億ユーロ。歳入の76%は加盟国の分担金、11%は各国がVATの約0.3%分を拠出、EU独自の財源は共通関税など残りの約13%にとどまっている。

欧州委の提案は各国のVATの拠出分を廃止して負担を軽減する代わりに、EU税を導入して独自財源を確保する内容。バローゾ欧州委員長は「加盟国の財政支出が制約されている中、EUが直面している課題に対応する」と説明している。

欧州委はEU予算における加盟国への依存度を減らし、政策の自由度を高めるのが狙い。例えば、自然災害や金融危機が起きた際、十分な独自財源がないと機動的に政策を投入できないとの判断が背景にある。

だが、仏政府は早くも「時期が悪い」と難色を示している。EUに財政主権の一部が奪われるとドイツや英国も反対するのは確実で、欧州委もEU税の税率などの具体案の公表はひとまず見送った。欧州委は11年7月までに次期中期予算の大枠を正式に提案する予定で、それまでに曲折も予想される。

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