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ウクライナ、デモと警官隊が大規模衝突 政権強硬策

親欧・親ロで分裂の危機

(更新)

【モスクワ=石川陽平】旧ソ連・ウクライナの情勢が急速に悪化している。首都キエフで18日から19日未明にかけて起きた反政権デモと警官隊の衝突では25人前後が死亡。19日も両者の対峙が続き、緊迫した状況が続く。3カ月に及ぶ政治危機の背景には、汚職のまん延や経済の悪化を招いた親ロシアのヤヌコビッチ政権への不信がある。今回の衝突を機に反政権の動きも再び活発になっており、国家分裂の危険も現実味を増す。

前夜の衝突の余波が続き、黒煙に包まれるウクライナ反政府デモ隊の拠点、首都キエフの「独立広場」(19日)=共同

キエフ中心部の独立広場では19日、数千人の反政権デモがタイヤなどを燃やし「炎と煙のバリケード」を築いた。隣り合うビルで火災が起きる中、広場を取り囲む警官隊とにらみ合いが続く。地下鉄が運行を停止し、シャッターを閉めた店も多い。内務省は衝突による負傷者が約800人に上ることを明らかにした。

危機は親欧的な西部に拡大。リビウ州政府を占拠した反政権派勢力は19日、独自の行政府を設立すると発表した。ボルイニ州では内務省の州施設が襲撃され、フメリ州では約千人が州政府を取り囲んだ。

政府の保安局は19日、反政権派の過激派が1500丁の銃器を手に入れたと発表し、強硬姿勢の正当性を主張する。タス通信によると、軍空挺(くうてい)部隊がキエフに移動する命令が出され、軍幹部は「武器庫を守るため」と説明した。衝突拡大を懸念する野党幹部は同日の声明で、政権側に協議を呼びかけた。

人口4500万のウクライナは旧ソ連第2の大国で、欧州連合(EU)とロシアに挟まれた地政学的に重要な位置にある。国家方針は親欧と親ロの間で揺れ、独立から20年以上、不安定な政治情勢が続いてきた。

今回の反政権デモも昨年11月、政府がEUと包括的に関係を強める連合協定の調印手続きを凍結したことがきっかけ。背景にある政権への不信も深刻だ。デモを率いる有力野党ウダルのクリチコ党首は「権力の腐敗が最大の問題だ」と訴える。

経済改革も進まず、2013年の経済成長率はゼロに落ち込んだ。デモ参加者は「政権交代と政治体制の改革を実現しない限り、国の将来はない」と口をそろえる。「欧米型政治・経済システムへの転換」に期待し、強硬姿勢を崩さない。

だが、ロシア系住民が多い東・南部は国の針路をロシアとの協力強化に見いだし、東部出身のヤヌコビッチ大統領を支持する。反政権デモについて、東部ドネツク州の州議会議長は18日「内戦と政変を許さないよう緊急に行動する必要がある」と声明を発表し、政権にデモを抑え込むよう求めた。東部では自警団創設の動きも相次いでいる。

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