新幹線に黄信号 ベトナム国会、整備計画を否決

2010/6/19付
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 【ハノイ=岩本陽一】ベトナム国会は19日午後、「南北高速鉄道」計画を推進するとした政府案を反対多数で否決した。同鉄道は新幹線方式での整備が閣議決定されていたが、議会では560億ドルの巨額投資と鉄道事業の採算性の低さを懸念する声が相次いだ。政府が推進する事業が承認されなかったのは極めて異例で「現政権にとって打撃となる可能性もある」(外交筋)。

 南北高速鉄道は同国の三大国家プロジェクトの一つ。国会は同鉄道の整備を推進するとした政府案について採決を取り、同案は賛成37%、反対42%で否決された。政府は先月から反対派に配慮して妥協案を提示。着工時期を遅らせたり、先行して整備する区間を当初案の半分に減らしたりしたが、議員の半数以上の支持を得られなかった。

 国会は高速鉄道問題の今後の取り扱いを協議しないまま、同日夕、閉会した。ただチョン国会議長が閉会式で「政府はプロジェクトについてさらに検討してほしい」と指摘したことから、次期以降の国会で継続審議となる可能性もある。

 今国会では南北高速鉄道について、ベトナムの国内総生産(GDP)の6割程度に達する巨額の事業費が財政を圧迫するといった意見が出た。工期が遅れ、コストが膨らむことへの懸念も多かった。採算性への懸念も根強かった。同国では首都ハノイと南部の商都ホーチミンを除けば都市機能が未整備で、中期的には途中駅の利用が見込みにくいとされる。

 国会承認が得られなかったことで、事業化調査など日本政府による支援策の検討作業に影響が出るとみられる。

 南北高速鉄道はハノイ―ホーチミンの1570キロメートルを5時間半で結ぶ。最高速度は時速300キロメートル。在来線では30時間以上かかる。政府案では2020年までに部分着工する予定だった。川崎重工業、三菱重工業、三菱商事、住友商事などが強い関心を示し、ベトナム側に売り込んでいた。

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