2019年1月24日(木)

ペルー大統領選2候補、「拒否率」も高く 決選投票へ支持拡大難航も

2011/4/23付
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6月5日投開票のペルー大統領選挙の決選投票は、民族主義を掲げるオジャンタ・ウマラ元陸軍中佐(48)と、アルベルト・フジモリ元大統領の長女、ケイコ・フジモリ国会議員(35)の争いになることが決まった。両候補は貧困層を中心に支持を集めたが、ともに保守層などからの反発は強く、決選投票に向けた支持の拡大は難航しそうだ。

第1回投票の翌日の11日から15日まででリマの株価指数は8%下落した。かつて急進的な主張を掲げていたウマラ候補が30%強の支持を集めて首位で決選投票に進んだことに反応した。

ウマラ候補は沈静化を狙って18日、元中央銀行総裁らを経済顧問に迎えたほか「自由貿易協定(FTA)などの政策は維持する」と繰り返し訴えているが、にわかには浸透していない。

株式市場の反応が示すとおり、ウマラ候補に対しては急進的な政策への警戒感が解けない。2006年の前回大統領選挙ではベネズエラのチャベス大統領と同様、資源の国家管理強化などを掲げて敗れた経緯がある。

同候補は今回、民間企業主導の経済拡大を訴えるなど、ブラジルのルラ前政権に倣って主張を穏健にしたが「ベネズエラ化する」との警戒は根強い。

一方、フジモリ候補は治安回復や経済発展の基盤を築いた父の実績があり、経済政策への安心感から決選では優位との見方もある。

ただ、元大統領は軍による市民殺害事件に関与した罪で禁錮刑を受け服役中。側近の汚職をきっかけに政権が崩壊した記憶も生々しく、フジモリ候補は18日「神に誓って父の赦免はしない」と訴え、負の側面の払拭に必死だ。

両候補は貧困層から支持される半面、世論調査で「この候補には投票しない」と回答した人の割合を示す「拒否率」がフジモリ候補で59%、ウマラ候補で52%に達する。

特に保守層との溝は深い。1990年の大統領選で敗れたノーベル賞作家のマリオ・バルガス・リョサ氏や、今回敗退したアレハンドロ・トレド前大統領(66)はウマラ、フジモリ両候補を「反民主主義勢力」と位置付けてきた。こうした論調は報道機関にも散見され、拒否率の高さにつながっている。

両候補は他陣営との対話を促進。ただ、歴史的な対立の経緯に加え、どの政党も過半数を確保できなかった国会(一院制)情勢を踏まえた駆け引きもあり、連携がどこまで進むかは不透明だ。

新政権を支える基盤が整わず政治が不安定になれば、誰が政権を取っても好調な経済に水を差す結果になりかねない。

(サンパウロ=檀上誠)

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