タブレット・円高・景気 米HP、三重苦でPC分離検討

2011/8/19付
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【シリコンバレー=奥平和行】米ヒューレット・パッカード(HP)がパソコン事業の分離の検討を始めた背景には、足元の業績の低迷がある。景気低迷、円高・ドル安、さらに多機能携帯端末の販売不振という「三重苦」が背中を押した。英ソフト会社を約7800億円で買収するなど企業向けのサービスやソフトを主軸に据えて経営立て直しを目指すが、先行きは不透明だ。

18日に発表した5~7月期決算は売上高が前年同期比1%増の311億8900万ドル(約2兆3900億円)、純利益は9%増の19億2600万ドルだった。実質1株利益は1.10ドル(前年同期は1.08ドル)で市場予想の1.09ドルを上回った。

増収増益を維持したものの、アップルやインテル、グーグルなど米主要IT(情報技術)企業が7月末までに発表した4~6月期決算で軒並み2ケタの増収となったことと比べると大幅に見劣りする。景気低迷の影響を受けて主力のITサービス事業は売上高が4%増にとどまり、営業減益だった。

さらに市場シェアが高く収益を下支えしてきたプリンター事業も「円高・ドル安が逆風になった」(キャシー・レスジャック最高財務責任者)。同社は一部製品を日本メーカーからOEM(相手先ブランドによる生産)調達しており、この採算が悪化したもよう。売上高は1%、営業利益は15%それぞれ減少した。

多機能携帯端末も不振だ。同社は2010年に米パームを買収し、同社の基本ソフト(OS)「ウェブOS」を活用してスマートフォン(高機能携帯電話)などを販売。7月には同じOSを使った多機能携帯端末も発売したが、「販売が予想を下回っている」(レオ・アポテカー最高経営責任者=CEO)。ウェブOSを使った端末販売からは8~10月期に撤退する。

今後は「企業や官公庁を対象とした高付加価値のソリューション事業に集中する」(アポテカーCEO)方針で、ITサービスやソフトが注力分野となる。18日には業務用ソフト大手の英オートノミーを102億ドルで買収する方針も発表した。ただこうした路線では米IBMが大きく先行しており、HPが追い付くことができるかどうかは不透明だ。

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