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作戦強行を非難 アルジェリア人質事件で米欧メディア

テロ掃討を優先し、アルジェリア政府が異例の迅速な鎮圧作戦に踏み切った外国人人質事件。米欧のメディアは18日にかけて、それぞれトップ記事などで大きく報道し、関係国への事前通告なしに作戦を強行したアルジェリア政府の対応への不満や批判を掲げる論評が相次いだ。テロの背景として、イスラム武装勢力の脅威が増している地域の構図を詳細に分析する記事も目立った。

【ロンドン=欧州総局】英国の主要紙は18日付朝刊で、キャメロン英首相がアルジェリアの事件への対応のため同日に予定していた欧州統合に関する演説を延期したことを大きく報道。その一方でアルジェリア政府の動きを問題視する論調を展開した。英紙タイムズは「アルジェリアの怠慢が国際社会のテロとの戦いを台無しにした」と、同国政府が関係国に作戦の事前連絡を怠ったことを批判した。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)英国版もトップ記事で「武装勢力への攻撃についてアルジェリア政府軍からの事前連絡はなかった」とする英政府関係者の情報を伝えた。18日付の社説では「(今回の事件の)根源はもっと深いところにある」とも指摘。地域の構造的な問題を紹介し、フランス軍のマリ軍事介入より以前から武装勢力が事件を計画していた可能性があると主張した。

仏紙ルモンド(電子版)は18日「フランスのマリへの軍事介入が、この事件を起こしたと考えるのは間違いだ」との社説を掲載。武装勢力は実際は隣国リビアから来たことが分かり、計画も長時間かけて準備されたことが明白だからだと説明した。

カダフィ政権崩壊などで西アフリカには多くの雇い兵などが集まり、テロや誘拐事件を起こしたり、麻薬の密輸入に手を染めたりしている現状から、マリへの軍事介入は「ソマリア化やアフガニスタン化を防ぐために必要」だったと解説。「もはや旧植民地と旧宗主国2カ国の問題ではない」とも断じ、欧州のほか米国、中国など同地域にかかわる多くの国の軍事的、経済・政治的な支援が必要だと訴えた。

オーストリアのメディアは、スピンデレッガー外相が18日「アルジェリア政府からの情報が少なすぎる」と不満を漏らしたことを取り上げた。オーストリア人の人質は無事が確認されたが、作戦の詳細はオーストリア政府も知らなかったようだ。

人質救出を狙ったと主張するアルジェリア政府の作戦そのものへの批判は少ないが、情報伝達が遅れたことと「単独の判断」を不満とする声が強い。「アルジェリアは外国の影響力を恐れている」(南ドイツ新聞)という解説もある。

【ニューヨーク=西邨紘子】米国でも主要各紙が18日、事件を大きく取り上げた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は1面に「救出へ奇襲で犠牲者 アルジェリアの人質救出作戦、米英に衝撃」との見出しで事実関係を紹介。アルジェリア軍が関係国に事前に警告することなく攻撃を仕掛けたことへの驚きを伝えた。

ニューヨーク・タイムズ紙は米国への事前の相談がなかったことを踏まえ、テロ対策などでの「アルジェリア政府の協力の限界が浮き彫りになった」との分析記事を掲載した。事件を機に「米国は内向き志向を考え直すべきだ」(マイアミ・ヘラルド紙のコラムニスト)と唱える論調もあった。

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