英国がインドに大型投資 首相表明、電力や道路整備で
【ニューデリー=岩城聡】インド訪問中のキャメロン英首相は18日、西部の商都ムンバイで講演し、商業都市ムンバイとIT(情報技術)開発拠点のバンガロールを結ぶ産業ベルト地帯の実現へ、電力や道路などのインフラ整備に積極投資する考えを示した。新興国の筆頭格であるインドと貿易や投資面で「特別な関係」(同首相)を築き、成長力の強化を狙う。
ムンバイとバンガロール間は約1000キロ離れている。キャメロン氏は2都市を結ぶ産業大動脈に沿って進める電力や道路などのインフラ整備に、英国として約250億ドル(約2兆3500億円)の投資機会があると表明。地域開発への協力姿勢を強調した。
「インドは今世紀における主要国の一つになる。我々はそのパートナーになりたい」とも力説。「とりわけ保険、銀行などの分野で外国直接投資が拡大できるようインド経済を開放すべきだ」と訴えて、外資導入の拡大へ印政府による開放政策の加速を要請した。
キャメロン氏の訪印は2度目。今回は100人を超す大企業や中小企業の関係者を随行させ、英首相の外遊としては最大の規模となった。
欧州危機で自国や周辺国の需要低迷が続く中、英政府は事態打開の一手として対印貿易の拡大を模索。2015年には、キャメロン氏が前回訪印した10年時点の2倍、230億ポンド(約3兆3000億円)に増やす目標を掲げている。キャメロン氏は首都ニューデリーに移り、19日にシン印首相と会談する。
14日にはフランスのオランド大統領も訪印。シン首相との会談で、3000億ルピー(約5400億円)規模の契約になると見込まれる短距離防空システムの共同開発に合意している。