スペイン国債利回り一時7.3% 欧州なお波乱含み

2012/6/18 22:58
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欧州不安がおさまらない。ギリシャでは18日から緊縮財政派の連立協議が始まったが、欧州市場ではスペインの金融不安が再燃。同国の10年物国債利回りは急上昇(価格は急落)し、ユーロ導入後で最も高い7.3%を付けた。20カ国・地域(G20)首脳会議でも欧州危機への対応策が議論の中心となる。

欧州危機関連の当面の予定
18~19日20カ国・地域(G20)首脳会議
21日ユーロ圏財務相会合
22日独仏伊スペイン4カ国首脳会合
28~29日EU首脳会議

【パリ=竹内康雄】スペインのモントロ予算相は18日、10年債利回りの上昇に絡んで「ユーロの将来への懐疑的な見方は強い。市場からの圧力は弱まっていない」と語った。そのうえで欧州中央銀行(ECB)に国債購入の再開を求めた。

スペイン10年債利回りが急上昇したのは、18日発表の国内銀行の4月の不良債権比率(焦げ付く恐れのある貸出債権の割合)が8.7%に高まったのがきっかけ。ギリシャの危機はひとまず和らいだが、スペインの不良債権や地方財政の悪化が懸念されている。

10年債利回りは7%を超えると、安定的に市場から資金調達できなくなる「危険水域」とみなされる。債券市場の不安はイタリアにも及び、イタリア10年債利回りは6.2%まで上がった。

スペインの代表的な株価指数であるIBEX35は一時、前週末比で3%近く下がった。フランスは1%弱の下落。ドイツは上昇して始まったが、その後は横ばいとなった。18日午前の米株式市場でも欧州不安から売りが先行。ダウ工業株30種平均の下げ幅は一時70ドルを超えた。ただギリシャのアテネ総合指数はユーロ離脱の危機が薄れ、上昇幅が一時3%を超えた。

NDのサマラス党首(左)に組閣を要請するギリシャのパプリアス大統領(18日、アテネ)=AP

NDのサマラス党首(左)に組閣を要請するギリシャのパプリアス大統領(18日、アテネ)=AP

【アテネ=花房良祐】ギリシャのパプリアス大統領は18日、再選挙で第1党になった新民主主義党(ND)のサマラス党首に組閣を要請した。NDは緊縮財政派の旧連立与党。サマラス党首は18日夕に同じ旧与党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首と会談。連立政策や閣僚ポストの配分で調整を進めたもよう。PASOKのベニゼロス党首は幅広い政党に参加を呼びかけるよう要請。そのうえで「19日中に組閣してほしい」と求めた。

NDのサマラス党首は緊縮策に反対する急進左派連合のツィプラス党首とも18日午後に会談したが、急進左派連合は連立政権入りを拒んだ。

再選挙ではNDが129議席を獲得。PASOKの議席とあわせて議会の過半数を取った。急進左派連合の獲得議席数は71だった。

ND関係者は18日、PASOKと穏健な反緊縮派の民主左派などと組んだ連立政権の樹立に自信を示した。早急に新政権を立ち上げないと、ギリシャ支援を巡る欧州連合(EU)との交渉が遅れ、公務員の給与や年金の支払いが滞る恐れがある。

緊縮派が勝利したのをふまえ、EUはギリシャ支援の条件である緊縮財政策の緩和の検討に入った。NDが見直しを求めているためで、財政赤字削減の実行期間を現行の2013~14年から延長する案がある。6月中にECBや国際通貨基金(IMF)との合同調査団をギリシャに派遣する。

欧州危機をめぐっては21日にスペインが銀行の資本不足額などを公表する予定。ユーロ圏各国は同日の財務相会合や、22日のドイツ・フランス・イタリア・スペインの4カ国首脳会議で対応策を協議する。28日から開かれるEU首脳会議までの10日間、ギリシャ支援とスペインの銀行救済問題は大詰めを迎える。

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