シリア国防相と大統領義兄、爆弾テロで死亡
内相も負傷

2012/7/19付
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 【イスタンブール=花房良祐】内戦状態に陥ったシリアで18日、首都ダマスカスの治安施設を狙った爆弾テロがあり、ラジハ国防相とアサド大統領の義兄シャウカト副国防相が死亡した。シャアール内相と情報機関の首脳も負傷した。アサド大統領退陣を求めて抗戦を続ける反体制派が要人暗殺に戦術の軸足を移した可能性もある。治安の中枢を担う閣僚の死傷は政権への打撃となりそうだ。

 国営テレビなどが伝えた。同施設では閣僚や治安当局幹部の会合を開いていたと伝えられ、トルクマニ元国防相の死亡も確認された。治安当局筋によると、実行犯はアサド大統領の側近を担当する護衛官。自爆テロだったとの報道もある。固い結束を誇ってきた政権中枢に反体制派への協力者がいたことになり、政権の求心力が低下しつつあることを示した形だ。軍将校が相次ぎトルコなど海外に亡命しており、離反が広がる可能性もある。

 複数の武装勢力が同日、犯行声明を公表したが、真偽は不明。アサド政権は同日「テロリストと対峙する決意」を表明。今後も反体制派の徹底弾圧を続ける方針を示した。

 昨年3月にシリアで反政府運動が始まって以降、アサド政権が掌握してきた首都ダマスカスでも今月15日以降は連日戦闘が発生。アサド政権の基盤が揺らぎ始めたとの見方もある。

 国連・アラブ連盟合同特使のアナン前国連事務総長が仲介した停戦が事実上崩壊する中、政権から離反した「自由シリア軍」を中心とする武装勢力は反シリアの急先鋒(せんぽう)、カタールやサウジアラビアなどから資金支援を受け、装備を強化。欧米も通信機器の供与などを通じた支援を続けている。反体制派は一時は劣勢も伝えられたが、こうした支援を受けて盛り返しているようだ。

 アサド政権は各地でヘリコプターを投入して掃討作戦を続行、100人以上の虐殺事件も伝えられている。国連では反体制派を支援する欧米と、アサド政権に理解を示すロシアが対立。欧米が提出する対シリア制裁決議案にはロシアが拒否権を行使するのが確実視され、有効な手立てを打てていない。反体制派からはリビア型の武力介入を求める声も出始めている。

 20日にはシリアに派遣された国連停戦監視団の期限が到来。停戦崩壊ですでに活動をほぼ停止している。パネッタ米国防長官は18日のテロを受け、シリア情勢について「急速に制御がきかない状況になっている」と懸念を表明した。政権中枢を狙ったテロは治安悪化を招く可能性が大きく、国連安全保障理事会での監視団の期限延長を巡る議論にも影響を与えそうだ。

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