/

ロシア、クリミアを編入 プーチン大統領が条約に調印

日米欧は制裁強化

【モスクワ=石川陽平】ロシアのプーチン大統領は18日、ウクライナ南部クリミア半島の住民投票で「ロシアへの編入」が圧倒的に支持されたと表明し、直ちにクリミア自治共和国代表らと編入の条約に調印した。これに対し日米欧は反発し、ロシアに追加制裁を科す姿勢を鮮明にした。ウクライナ危機は世界経済と国際的な安全保障に深刻な影響を与える重大な局面を迎えた。

プーチン氏は18日、モスクワのクレムリンに上下両院議員や政府幹部らを集めて演説した。クリミア半島での住民投票については「民主的で合法的だ」と主張。ロシアとクリミアは「同じ歴史と同じ誇りに満ちている」と述べ、ロシア議会に編入の条約を支持するよう求めた。

ロシアは「軍事介入をしていない」との見解を改めて示し「ウクライナの分割は望まない」とも語った。欧米に対しては「西側のパートナーは一線を越え、乱暴で無責任に、素人のように行動した」と厳しく批判し、ウクライナ内で親欧米派を支援して政変を招いたとの見方を示した。

プーチン氏は半島の編入で保守的な国民の支持を固め、南部セバストポリにあるロシア黒海艦隊の基地を長期的に確保する考えだ。演説ではクリミアとセバストポリが「強力で安定した主権の下に存在しなければならない」と訴えた。

1時間近い演説に続いて、プーチン氏は手続きを一気に進めた。アクショーノフ首相らクリミア自治共和国と特別市セバストポリの代表と編入の条約に調印。大統領府によると、同半島は18日付でロシア連邦の構成主体として編入され、ロシア下院は19日にも条約を批准する見通しだ。

プーチン氏は欧米に理解を求める考えも示したが、溝は深い。18日にはキャメロン英首相やフランスのオランド大統領、バイデン米副大統領らがロシアを非難し、制裁を強化すると警告した。

日本政府も18日、追加制裁の検討に入った。政府高官は「段階が変わった。ここまでの状況では形だけの制裁では済まされない」と明言し、ロシア政府高官らを対象にした資産凍結などに踏み切る方針を示唆した。

日米欧の主要7カ国(G7)首脳は24~25日にオランダのハーグで開く核安全保障サミットの場を利用し、ロシアへの対応を話し合う。ロシアを加えたG8の枠組みが岐路に立つ一方で、プーチン氏は核安保サミットの欠席を決めた。

ロシアがクリミア半島を編入すれば、第2次世界大戦後の欧州で初めて武力を背景にした「併合」の事例とみられる。プーチン氏は住民の「自決権」を認めた国連憲章に従って編入の合法性を主張したが、日米欧は戦後秩序を形成してきた「領土保全」の原則が侵害されたと批判を強める。

春割ですべての記事が読み放題
今なら初回2カ月無料!

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン